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中日新聞掲載の大学記事

2017.01.28

災害時 独力で調理を 豊橋 障害者施設で訓練

 豊橋市三ノ輪町の視覚障害者就労継続支援施設「陸」で27日、利用者13人と豊橋創造大短期大学部専攻科福祉専攻の学生7人が、災害時の避難所を想定した調理訓練に取り組んだ。(小原健太)

 耐熱性のポリ袋に材料を入れ、電気ポットで加熱する「パッククッキング」で、カボチャの煮物とオムレツを作った。利用者らは職員や学生に手伝ってもらいながら、包丁でカボチャを切り、スプーンを使って面取りしたり、卵をポリ袋に割り入れ、もみ込んで混ぜたりした。

 一昨年4月から利用する豊橋市の男性(19)は「スプーンを短く持って、と学生さんがアドバイスしてくれて、カボチャの面取りがうまくできた」と話した。学生の杉野敬祐さん(20)=同市神野新田町=は「初めはうまく説明が伝わらなかったが、相手の頭に絵が浮かぶような説明を心掛けたら分かってくれた」と語った。

 学生を指導する大林博美教授によると、視覚障害者は周囲の過剰な配慮で、包丁などを扱う動作から遠ざけられやすいが、災害時には独力でやらなければならないことも多い。「健常者は、障害のある方が自分でできる環境を整えてあげることが大切」と述べた。

 訓練は、施設を運営するNPO法人「てのひら」の大石政和理事長が、大林教授の教え子だった縁で初めて実施した。

(2017年1月28日 中日新聞朝刊東三河総合版より)

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