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中日新聞掲載の大学記事

2017.01.20

介護ストレス 月別発散 日福大生 認知症患者家族にカレンダー

 認知症患者の家族らの介護ストレス発散につながればと、日本福祉大(美浜町)の2年生2人がアイデアを出し合い「モヤ×スカカレンダー」を作成した。(大槻宮子)

 認知症啓発をテーマにした授業の一環で、社会福祉学部の西脇里保さん(19)と月城奈々さん(20)が作った。西脇さんの祖父は5年ほど前から認知症の症状が出始めた。2人暮らしの祖母とよくけんかするようになったと聞いていた。

 祖父母の例もあり、患者と家族が理解し合えないのが介護ストレスの原因の1つだと気づき、意思疎通を助ける交換日記帳を考えた。だが、既に同じような商品があると知って方向転換。どの家にも1つはあり、毎日目にするカレンダーを作ることにした。

 介護では患者の気持ちが理解できないからといって、怒るとけんかになってしまう。ストレスを感じたら自分でうまく発散することが必要だと感じた。

 そこで、カレンダーに毎月、5つのストレス発散法を紹介。このうち1つは、家族で一緒に実践できる方法として大きな文字で強調した。1月は<正月を満喫してみる 面白い特番がやっているかも!>。6月は<家族で散歩に出かけよう 新しい発見があるかも!>というように、「1人が介護するのではなく、家族全員で助け合ってほしい」との思いを込めた。発散法のアイデアは認知症を患う祖父母を持つ同級生らに聞いて集めた。

 カレンダーには、気分転換用の間違い探しや、今月の目標を2つ書き込むスペースも設けた。「介護者だけでなく、いろいろな人に役立ててほしい」と西脇さん。先日の休みには祖母に届けた。

 カレンダーは配布しないが、ダウンロードできるようデータは大学ホームページ(HP)上に公開している(「日本福祉大学地域研究プロジェクト」で検索)。

(2017年1月20日 中日新聞朝刊知多総合版より)
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