愛知大学野球秋季リーグ（中日新聞社後援）第３週第１日の１９日、愛知県豊田市の愛工大グラウンドで１回戦２試合があり、愛院大が中京大に、中部大が愛工大にそれぞれ先勝した。

　愛院大は２回に敵失から先制し、３回には大野と前田のソロ本塁打で２点を追加。終盤にも加点し、溝口が被安打７で完封した。

　中部大は５回に敵失で得た１点を、小笠原が完封して守りきった。

■持ち味を出し切り溝口が今季初完封

　最後の打者を併殺に打ちとると、思わず右腕でガッツポーズ。今季初完封を果たした愛院大の溝口は「９回まで、低めを打たせることができた」。自らの持ち味を出し切った投球に胸を張った。

　昨秋のＭＶＰ右腕が、春は制球に苦しんだ。優勝した中京大との３回戦では、押し出しを与えて自滅。夏は「四球を少なく」を目標に真ん中低めへの投げ込みを徹底して、ゴロを打たせるスタイルに磨きをかけた。

　何度も得点圏に走者を許したが「あれだけ練習した自信が、ピンチに生きる」。スライダーとシュートを左右の低めに散らし、決定打を許さなかった。田中監督は「投手がリズム良く打たせれば、打線も良くなる」。エースの仕事をたたえた。

　前週は２試合連続でサヨナラ負けし、優勝へはもう勝ち点を落とせない。「いつも０−０の気持ち。気の緩みをなくして戦う」。春の悔しさを晴らすのは、まだこれからだ。　（海老名徳馬）

◇愛工大（愛院大１勝）
愛院大　０１２０００２２０―７
中京大　０００００００００―０
本塁打　大野、前田（以上院）

◇同（中部大１勝）
愛工大　０００００００００―０
中部大　００００１０００ｘ―１

（2009年9月20日　中日新聞朝刊23面より）