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中日新聞掲載の大学記事

2016.12.20

星城大 来年 大学選手権に期待 今年、東海地区女子リーグ参加 飛躍の1年

 今年からソフトボールの東海地区大学女子リーグ戦に参加した星城大が、飛躍の1年を終えた。初のリーグ戦だった春は2部で優勝。1部へ昇格した秋は最下位だったものの、入れ替え戦に勝ち残留した。部員は1、2年生だけの計25人。それでも、愛知・星城高を全国レベルの強豪に鍛え上げた神谷和利監督(68)と、2008年北京五輪で日本代表の4番として金メダル獲得に貢献した馬渕智子コーチ(34)の指導で、来年以降の大学選手権初出場へ期待が高まる。

■1年生6人で発足

 昨年4月、1年生だけ6人で星城大ソフトボール部が発足。神谷監督は、すでに在学していた2年生以上の生徒をあえて部員に加えなかった。

 「私の考え方や方針を理解してくれる生徒でないと続けていくことは難しいと思った。だから、これは、と思う高校生には前もって私の方針などを説明してから入学してもらった」

 大会には出られないと分かっていながら入部した6人は、2年目以降に試合ができることを信じて練習に打ち込んだ。近くの企業が所有するグラウンドを借りるなど、練習場を転々。それでも、将来は教員を目指しているという馬場友裕(ゆうゆ)副主将(2年)は「ソフトボールだけではなく、人間的にも成長できると思ったので、試合に出られないことは問題ではなかった」と自らの選択が正しかったと考えている。馬場以外にも教員志望の部員は多い。

 講演やソフトボール教室などの合間を縫って週に3度ほど練習に顔を出す馬渕コーチは、五輪金メダリストならではの役割を果たしている。自ら指導することはあまりない。選手から疑問点などを問い掛けられた時に返答するのは、選手自身に疑問点を明確にさせるためだ。

■2勝くらいしたい

 「こうしろああしろ、と言うより、こうなりたいという気持ちを持ってもらいたいから」と同コーチ。アドバイスは技術面だけではないようで、坂本真由主将(2年)は「自分が弱点だと思っていることも、決してマイナス面ばかりではない、などと諭してくれる」と心強い支えに感謝する。

 秋季リーグ戦は5戦全敗だったが、11月の県大学選手権ではリーグ戦で敗れた中京大に雪辱して準優勝した。次の目標は大学選手権出場。エース格の山宿稔梨(やまじゅく・みのり)投手(1年)は「来年はインカレで2勝くらいしたい」と目を輝かせた。 (堤誠人)

 ▼神谷和利(かみや・かずとし) 1948(昭和23)年7月19日生まれ、愛知県豊田市出身の68歳。愛知・岡崎北高では卓球部で高校総体出場。早大、早大院を経て教員となる。小学校から大学までの全てを教え、ソフトボールの指導歴は40年を越える。86年に愛知・星城高の創部に携わり、同校を高校総体や全国選抜大会での準優勝など強豪に育てた。2015年から星城大監督。

 ▼馬渕智子(まぶち・さとこ) 1982(昭和57)年2月17日生まれ、名古屋市出身の34歳。小学5年でソフトボールを始め、愛知・星城高から日立ソフトウェア入社。2008年北京五輪では4番打者として3本塁打を放つなど日本初の金メダル獲得に貢献。日本リーグでは本塁打王、打点王各3度、ベストナイン7度。10年限りで引退し、11年から14年2月まで日立ソフトウェアのコーチ。今年7月に星城大の事務職員とソフトボール部コーチに就任、12月からは学長特別補佐の肩書がついた。

(2016年12月20日 中日スポーツ9面より)

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