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中日新聞掲載の大学記事

2015.08.13

郡上の企業へ 来たれ学生諸君 建設会社で初の見学会 進む若者の流出 働き手確保へ本腰

 郡上市や市商工会などでつくる市雇用対策協議会が、郡上の企業に就職する学生を市外から呼び込む活動を本格的に始めた。市内の企業をPRしようと初めて開いた見学会では、岐阜女子大(岐阜市)で建築を学ぶ学生たちに、地元の建設会社で働く社員らの話を聞いてもらった。(稲垣時太郎)

 市によると、市内にある郡上高校と郡上北高校の卒業生は、7〜8割が進学で市外へ出ていく。高齢化や人口減が進み、市内の企業で働く人の確保が難しくなっている。

 協議会は、市外から学生を呼び込む活動に力を入れようと、6月に専門職員1人を初めて雇用した。専門職員は県内や愛知県の大学、専門学校を回って市内の企業をPRしたり、学生を呼び込む方策の助言を受けたりしている。その一環で岐阜女子大を訪れた際、郡上で企業見学会をする話がまとまった。

 見学会に、住居学を専攻する1〜4年生10人が参加。いずれも市外の出身者で、静岡県や和歌山県出身の学生もいた。郡上市内の建設会社などを訪れ、同市八幡町のヤマシタ工務店の郡上本店では社内を見学し、社員の此島(このしま)麻衣子さん(32)から話を聞いた。

 2級建築士の此島さんは、2歳の長女を育てながら住宅の設計や積算の仕事をしている。「子育てをしながら男性と同じように働くのは大変です。でも、やわらかいデザインなど女性らしさのある設計も求められています」と話した。「自分のしたいこと、得意なことを素直に見つめ、仕事を選んでほしい」と呼び掛けた。

 建築やインテリア関係の仕事を志望している2年の中川真咲美(まさみ)さん(20)=笠松町=は「いろんなところの会社を知りたいと思って参加した。仕事が具体的にイメージできて勉強になりました」と話していた。

 協議会は今後も企業見学会を続け、2016年度から大学生らを対象にしたインターンシップ(就業体験)の開催などにつなげる考えだ。

(2015年8月13日 中日新聞朝刊中濃版より)

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