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中日新聞掲載の大学記事

2009.03.06

県立芸大生ら「栄」のアート 資金難…足で稼ぎ無事開催

 絵画や造形で繁華街「栄」を表現したアート展「栄ディスカバリーコミュニケイション」が、愛知芸術文化センター(東区東桜1)で開かれている。アートを身近な存在にと、県立芸大の学生らが企画。「資金難」に直面しながら、若さと熱意で開催にこぎつけた。 (小笠原寛明)
 
芸文センター繁華街 若い感性で表現

 薄い布で囲われた巨大な長方体(高さ約10メートル、幅2メートル、奥行き2メートル)の内側で、風にあおられて浮かんだり、沈んだりする赤や黄の風船。繁華街に集い、交錯する人間模様を表現したという。

 ほかにも都会のエネルギーを飛び散った絵の具跡とオリジナル曲で表した作品、9体の陶製の人形に栄で見かけた若い女性たちの服装を着せた作品など、学生と卒業生15人がそれぞれ感性で切り取った「栄」が並ぶ。

 アート展は同大有志が企画、運営。今回、栄をテーマに据えたのは「名古屋人なら誰でも知っている場所だから」。アートと縁遠い人にも関心を抱いてもらえるのではと考えた。

 資料の印刷や案内状の送付など100万円近い費用は学内の助成制度を見込んでいた。しかし、制度を下支えしてきた企業からの支援が不景気で減り、予定の半額にも満たなかったという。急きょ栄の企業などを回り、1カ月余で20社を超える協賛を取り付けた。

 代表の同大2年水谷綾志さん(23)は「アートは楽しい。買い物や通勤・通学のついでに気軽に立ち寄ってほしい」と話している。15日まで。

(写真)学生たちがそれぞれイメージする「栄」をアート作品で表現した「栄ディスカバリーコミュニケイション」=東区の愛知芸術文化センターで

(2009年3月6日 中日新聞朝刊市民版より)

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