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中日新聞掲載の大学記事

2014.09.02

体操でお年寄り元気 春日井 「ロコモ」予防 学生と楽しく

 骨や筋肉、関節といった運動器の障害で歩行や日常生活が困難な状態を指す「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」を予防しようと、春日井市高森台のお年寄りたちが体操教室「KCGサークル」を立ち上げた。中部大の学生らが指導し、参加者は健康づくりと若い世代との交流を楽しんでいる。(佐久間博康)

 高森台団地集会所の広いフロア。21人のお年寄りが個人用のマットを床に敷き、中部大生命健康科学部の矢沢浩成講師(40)の手本を見て、片足立ちやスクワット、ストレッチをする。学生の個別指導付きだ。「肩の痛みがひいた」と喜ぶのは、参加者の吉田大一さん(75)=同市岩成台。滝沢敏子さん(70)=同市石尾台=も「学生がいると明るい雰囲気で元気になれる」と語る。

 KCGサークルは、「高蔵寺」のK、「中部大」のC、「元気」のGの頭文字から名付けた。体操を通じて、要介護状態の原因となる関節疾患や骨折・転倒をしない体づくりを目指している。

 教室は、集会所近くに住む柴山美津子さん(70)と辻丸昭江さん(71)が、中部大に協力を呼び掛けて始まった。6月から月2回開講し、1時間ほど体を動かしている。

 背景にあるのは、要介護状態になることへの危機感だ。高蔵寺ニュータウンは高齢化率の上昇が著しい。

 国勢調査によると、2010年の高齢化率は22.26%で、5年前と比べて6.92ポイント上がった。

 一方、中部大側にも利点はある。同大は高蔵寺ニュータウンの活性化に力を入れており、教室は理学療法士を目指す3、4年生の教育の場になっている。

 矢沢講師は「高齢者との接し方が学べ、将来の役に立つ」と期待。

 4年の武馬(ぶま)力哉さん(22)は「お年寄りが健康面でどんなことに関心があるのかを聞けて勉強になる」と話す。

 参加者は身長、体重、血圧、骨密度などを半年ごとに測定する。矢沢講師は「数値を維持することが大事。楽しくやることが一番です」と呼び掛ける。

 柴山さんは「生涯現役で歩いて暮らせる人を増やしたい」と意気込む。

 問い合わせは柴山さん=電0568(91)0639=へ。

<ロコモチェック7項目>
・片足立ちで靴下がはけない
・家の中でつまずいたり、滑ったりする
・階段を上がるのに手すりが必要
・家のやや重い仕事(掃除機の使用など)が困難
・2キロ程度(牛乳パック2個)の買い物をして持ち帰るのが困難
・15分ぐらい続けて歩けない
・横断歩道を青信号で渡りきれない

※日本整形外科学会の冊子から引用

(2014年9月2日 中日新聞朝刊近郊版より)
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