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中日新聞掲載の大学記事

2009.01.08

名市大生が次世代ふろしき 優しさ、遊び心 包み込むデザイン

 名古屋市立大芸術工学部(千種区北千種2)でデザインを学ぶ2、3年生13人がバラエティーに富んだふろしきを作った。同大では初めてのオリジナル商品として売り出すことも検討中。東区大幸南1の市民ギャラリー矢田で作品が展示されている。(小笠原寛明)

芸術工学部東区で展示
鳴海絞を応用、商品化検討

 大学院芸術工学研究科(テキスタイルデザイン)の藤井尚子准教授(39)が昨夏、大学側からオリジナル商品の開発を打診されたのがきっかけ。学生らは市内の鳴海絞メーカーの協力で素材選びからデザイン、制作までを手掛けた。

 井上大さん(20)は絞りの技術を生かしてふろしきの一部に「耳」を形づくり、物を包むとウサギや猫に見える作品を作った。立体的な形状を保てるよう、素材にはフェルトを使った。

 「物を包むだけでなく、ぬいぐるみ代わりとして気持ちのやすらぐふろしきにしたかった」。入院中の子どもたちを思い描いて作ったという。

 大山由佳さん(20)はミノムシをヒントに、ふろしきを入れて持ち運べるきんちゃくを添えた。「相当、意識しないと私たちの世代はふろしきを使わないから」。アクセサリー感覚で普段からバッグにぶら下げてもらい、気軽に使えるようにした。

 他にも絞りによる表面の突起を点字に見立て「LOVE」のメッセージを施すなど、約50点が並ぶ。藤井准教授は「物に色や形を与えるだけでなく、使う人の生活が潤い、楽しくなってほしいという願いをデザインに込めた」と話している。展示は12日まで。

(2009年1月8日 中日新聞朝刊市民版より)
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