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中日新聞掲載の大学記事

2014.07.03

読書推進 学生が工夫 椙山女大図書館 手書きの説明や装飾

 千種区星が丘元町の椙山女学園大図書館で「ライブラリーサポーター」と名付けられた学生ボランティアが、学生の読書離れに歯止めを掛けようと活動している。テーマに沿った蔵書を集め、手書きの説明や装飾を施して展示し、利用者増に大きく貢献。秋には大手書店と協力し、女子大生目線で選んだ本のPR展示をする計画もある。(梅田歳晴)

 ライブラリーサポーターは1〜4年の30人。1、2カ月ごとに、季節にふさわしかったり、流行を意識したりしたテーマを決め、本や雑誌を一カ所に集めて紹介。書店の「おすすめコーナー」のように来館者の目を引く工夫を凝らす。

 5月に始まった今の企画は、世界的に人気の「ハリー・ポッター」。大阪市のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で、ハリー・ポッターの世界を再現した新ゾーンが7月15日にオープンするのを見越して決めた。

 シリーズの書籍に加え、大阪の旅行ガイドなど20冊余りを集めた。ハリー・ポッターを連想させるような城や帽子、ほうきなどを色紙でこしらえて、貼り付けた模造紙のポスターが目を引く。

 2010年4月に活動を始めてから、本の貸出数は年間約1万5000冊も増え、来館者数も年間1万人増。サポーターの活動が実を結んだ形だ。これまでに「ディズニー」「バレンタインデーのチョコづくり」「レシピ本」などのテーマが好評だった。

 全国大学生活協同組合連合会(東京)が昨年実施した学生生活実態調査では、大学生の4割が読書にあてる時間を「ゼロ」と回答。大学生の読書離れがいわれて久しいが、学生たちをまとめる図書館職員、荒木希衣子(けいこ)さん(30)は「学生目線で選んだ本は、同世代の学生に興味を持ってもらえる」と話す。

 9月には丸善名古屋栄店、10月には三省堂名古屋高島屋店で、テーマに沿って選書した「女子大生オススメ本コーナー」を設置する。

 同大4年の入山菜摘さん(21)は「インパクトや分かりやすさを打ち出して、私たちが勧める本を多くの人に手に取ってもらいたい」と話している。

 椙山女学園大図書館は、同大の学生以外に、18歳以上の一般の女性にも開放している。

(2014年7月3日 中日新聞朝刊市民版より)
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