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中日新聞掲載の大学記事

2014.04.12

比の大学にミニバン寄贈へ 台風禍 津田・名外大教授らの募金実る

 昨年11月の台風で甚大な被害が出たフィリピンを支援しようと、名古屋外国語大(日進市)の津田守教授(66)らのグループが募金活動を続け、学生や教員、街頭から245万円の支援を集めた。支援金は台風の影響で車を失ったフィリピン大タクロバン分校で、1台の車を購入する費用に充てられる予定だ。(水越直哉)

 フィリピン社会学が専門の津田教授は同国に13年間滞在し、妻ヨランダさんも台風が直撃したタクロバン市出身。被害に対して何もできず無力感を感じていたが、学生から「何かしたい」という声が上がり、支援を決意。昨年11月中旬、系列の名古屋学芸大、同大短期大学部を巻き込んで募金活動をスタートさせた。学生や教職員ら40人ほどが協力した。

 学校内に募金箱を置き、学生食堂でも学生たちが支援を呼び掛けて回った。12月には名古屋駅前に立ち、通行人にも寄付を募った。新聞で活動を知った団体から、バザーの売り上げの一部が寄付されたこともあり、3月末には245万円が集まった。

 現地の大学の要望を知るため津田教授は3月2日から4日間、フィリピン大タクロバン校を訪問。強烈な暴風雨によって屋根や窓枠が飛ばされ、高波で1階部分が浸水、パソコンや書類が流されるなど大きな被害に遭った校舎を見た。学生は2カ月間の休校措置の後、窓やドアのない教室で講義を受けていた。

 タクロバン校のアニータ・クラール学長は学校で使うミニバンの寄贈を要望、金額的にもぴったりだったため購入を決めた。今月中に購入資金を送る予定。

 津田教授は「船が陸に打ち上げられ、家屋も復旧が進んでいない点では東日本大震災と同じ。完全な復興には5年、10年かかると感じた。被災地が望む支援ができて、協力していただいた人には感謝したい」と話した。

(2014年4月12日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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