進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 学生活動

中日新聞掲載の大学記事

学生活動  2025.06.05

この記事の関連大学

社会課題 デザインで解決考えた 長久手舞台に県立芸術大生

自ら設計した図書館の模型を前に説明する学生(右)=長久手市の県立芸術大で

自ら設計した図書館の模型を前に説明する学生(右)=長久手市の県立芸術大で

 長久手市を舞台に、デザインを通じて社会課題を解決するプランを考えようと、県立芸術大学(同市)で3日、学生たちが発表を行った。アートを生かした、教育や子育て、まちづくりのアイデアが次々と披露された。(古市昌克)

■建築模型を展示 コーヒー染めブランド提案

 発表したのは、デザイン・工芸科デザイン専攻の2、3年生20人。佐藤直樹教授の「人生100年時代における幸福」をテーマにした講義で、学生たちが感じる長久手市の社会課題を解決する提案を作った。4月16日には、市文化の家スタッフで同大の卒業生、水間芽利(みずまめり)さんを招いて、公益性を考える特別講義を実施。優秀作品は8月にリニモテラス(同市)を会場に、市職員に発表を行う予定という。

 学生たちは持ち時間3分で自らの企画をプレゼンテーション。パソコンでイメージや資料を作成したり、自作の建築模型やピンバッジを展示したりと手法もさまざま。講評は名古屋学芸大メディア造形学部(日進市)の冨安由紀子教授、ミッケデザイン(東京)の長崎佑香さんと、市文化の家の生田創館長、スタッフの黒野雅直さん、水間さんが行った。

 市内を歩いてコーヒー店の多さに気付いた学生は、コーヒー染めのブランドを提案した。生田館長は「香りや風景など五感を広げた展開を考えて」と講評。長崎さんは「染めるだけより、作る体験など過程もセットにしては」とアドバイスを送った。

 約3時間にわたって20人の発表を聞いた、冨安教授は「難しい課題だったと思う。通り一遍でなくて良い。思い描くところと結びつけて」と話し、生田館長は「行政は『文化・芸術に何ができるか』に陥り、窮屈になってしまっている。みなさんの発想が必要になると思う」と全体を講評した。

 佐藤教授は「学外からの視点に触れることは、学生にとって良い刺激になる」と話し、学生たちの今後に期待を示していた。

(2025年6月5日 中日新聞朝刊なごや東版より)
  • X

戻る < 一覧に戻る > 次へ