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中日新聞掲載の大学記事

2014.04.13

亡き夫の美術品寄贈 藤井達吉美術館に 緑区の内田さん

 名古屋市緑区の画家内田浩子さん(87)が、1月に亡くなった元画廊経営者の夫、善太郎さんが所蔵していた美術作品72点を、碧南市藤井達吉現代美術館(同市音羽町)に寄贈した。同館で5月6日まで開催中の新収蔵品展で公開されている。愛知ゆかりの実力作家が活動初期に手掛けた貴重な作品も多く、再び光が当てられた。

 善太郎さんは1971(昭和46)年、名古屋市中区錦2の所有ビルに設けた画廊「ギャラリーはくぜん」を経営し、99年の閉廊まで新進作家に発表の場を提供した。

 内田さん夫妻は閉廊後も、作家を支援するために買い取った作品や、展示の謝礼に作家から贈られた作品を所蔵してきた。しかし、ビルを手放すことになり、善太郎さんと親交のあった藤井達吉現代美術館に作品の寄贈を申し出た。

 寄贈品は、宮田道明・名古屋造形大教授の立体作品や、山本富章・県立芸術大教授の絵画など。作品の売却を好まないため、入手が難しい堀川恭・県立芸術大名誉教授の彫刻も2点ある。

 浩子さんは「作品は鑑賞されることで生きる。きちんとした管理で作家も安心できる。夫も天国で喜んでいると思う」と話した。

 新収蔵品展では、他からの寄贈品や寄託品、美術館独自の購入品を含めて123点が並ぶ。入場無料。 (片山健生)

(2014年4月13日 中日新聞朝刊市民総合版より)

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