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中日新聞掲載の大学記事

2014.01.25

米国発プレゼン TED 名古屋にじわり 来月 納屋橋で若者催し

 米国発のプレゼンテーションイベント「TED」が名古屋でも広がりつつある。さまざまな分野の話し手が普段の活動内容やアイデアを18分間に凝縮して発表し、聴衆の関心を刺激する取り組み。昨年11月には名古屋大(名古屋市千種区)の学生が「TEDx NagoyaU」を開催。今年2月には同市中区の納屋橋を舞台にしたイベントも計画されている。(北島忠輔)

 「TEDx」が開かれた名大のホール。30キロの米俵を担いだ男性がスポットライトを浴び、ステージ中央で訴えた。「世界全体が食料危機に向かう中、日本の農家が減っている」

 秋田県で会社を経営する武田昌大さん(28)。農業が直面する厳しさを熱弁した後、「夢があり、やりがいがあり、嫁が来る。農業の『3Y』を目指す」とコメ農家と消費地をつなぐ事業を紹介した。

 客席で見ていた名大経済学部4年の大森絢矢さん(26)は「社会が抱える問題をビジネスで解決するモデル。実際に取り組んでいる人の話は刺激になる」と聞き入った。

 最先端のがん治療技術の開発を目指す名大教授や、千葉県の高校でタブレット端末を使った授業をしている教諭など、幅広い分野の人がスピーチ。休憩時間には会場から全員が出て、発表者と来場者が意見を交わした。

 実行委員長の名大工学部3年、山口涼さん(21)は「社会人と学生の考えのギャップや、文系と理系の隔たりを埋めるきっかけにしてほしい」と開催の狙いを話す。

 同市内では昨年9月に中村区の愛知大で開かれたのが最初。11月の名大に続き、今年2月22日には、20〜30代の若者が納屋橋で「TEDx Nayabashi」を計画。大森さんや山口さんも運営をサポートする予定で、イベントの準備が進んでいる。

【TED】 テクノロジー、エンターテインメント、デザインの頭文字。米国の非営利団体TEDが1987年にプレゼンテーションのイベントを始めた。分野にかかわらずアイデアを共有することで新たな着想を得ることが狙い。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や英国のブラウン元首相らも登壇した。米国から派生して世界各地で同じ方式で行われているのが「TEDx」。東京や仙台、札幌などでも開かれている。

(2014年1月25日 中日新聞朝刊市民総合版より)
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