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中日新聞掲載の大学記事

2014.01.21

遺伝子に痛風黄信号 変異あるとリスク増 名大など研究

 体外に尿酸を排出するのに関わる遺伝子に変異があると腎臓の機能に異常が生じ、痛風の予備軍とされる「高尿酸血症」を発症する危険性が高まることを、防衛医大(埼玉県)や名古屋大などのチームが突き止め、20日付の英科学誌に発表した。

 防衛医大の松尾洋孝講師は「遺伝子変異の有無を知ることで痛風の予防や適切な治療につながる」と話している。

 体内の尿酸は3分の2が腎臓から、残りは腸から排出される。チームは、腸からの排出に関わる遺伝子ABCG2に着目。高尿酸血症の644人と、尿酸値が正常な1623人で変異の有無などを比較した。

 その結果、この遺伝子に複数の変異があり働きが大幅に落ちている人は、腎臓に異常が生じて高尿酸血症を発症するリスクが4.5倍と計算された。働きが半分程度の人のリスクは2.7倍、少しだけ働きが落ちている人は2.1倍だった。

 腎臓の異常ではなく、腸の異常が原因で起きるタイプの高尿酸血症では、遺伝子に変異があると発症するリスクは最大16倍となった。

 チームによると、日本人の半数以上がABCG2に変異があるとみられ、医療機関を通じて検査が可能だという。

(2014年1月21日 中日新聞朝刊28面より)
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