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中日新聞掲載の大学記事

2014.01.21

震災語る「本の力」 絵本など10テーマ 金沢工大で巡回展

 東日本大震災以降の全出版記録を紹介する「本の力」巡回展が20日、石川県野々市市扇が丘の金沢工業大ライブラリーセンターで始まった。2月2日まで。午前9〜午後5時(日曜は午前10時から)。入場無料。 (小塚泉)

 図書館設備・用品の製造販売をしている「キハラ」と同大が主催。全国5カ所目の巡回で北陸では初開催。

 380の出版社の協力で、大震災後に出版された震災や防災関連の書籍1400冊を一堂に集めた。斎藤紀子・元昭和学院専任司書教諭が「絵本」や「写真集」「原子力発電」「放射能」「地震・津波」「防災・減災」など10のテーマに分類・整理をした。

 大半の書籍を、表紙が見えるように平置きにして展示。巡回展に先立つ学内向けの公開には、学生ら270人が訪れたという。

 「つなみてんでんこはしれ上へ」や学研まんが「地震のひみつ」といった幼児・児童向けの図書から、「徹底検証!福島原発事故は何が問題だったか」「原発を拒み続けた和歌山の記録」「南三陸町からの手紙3・11を体験した22人が自らつづった言葉」など多岐にわたる。手に取って読むこともでき、被災地の現状を知ったり、地震にどう備えるべきかを考えたりする手がかりになる。

 初開催された日本出版クラブ(東京都新宿区)での展示に訪れ、巡回展を企画した金沢工大ライブラリーセンターの諸谷小四郎副館長は、「年齢に応じ、世代を超えて伝えられるのは本の力だと思う」と狙いを話し「被災状況や、原子力発電所の事故による被害を知り、今後の避難に役立ててもらいたい」と期待した。

(2014年1月21日 北陸中日新聞朝刊17面より)
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