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2014.01.09
中部の大学生ドラフト候補 名大 七原 中日ドラゴンズがリストアップ
■152キロ「国立の星」 エースで4番・・・二刀流
中日が今秋ドラフト候補に名大・七原優介投手(3年)をリストアップしている。愛知大学リーグでは2部ながら、最速152キロを誇る快腕。地元の社会人の強豪・トヨタ自動車(愛知)入りが有力とみられるが、仮にプロ入りとなれば、名大から初の快挙となるだけに注目を集めそうだ。
大学野球ラストイヤーを迎え、大きな宿題を抱えている。名大を1部リーグに押し上げることを目標に掲げる七原にとって、投げることだけが役目ではないのだ。「コンスタントに打てるような力をつけたい。最後は1部に上がって、強い相手と野球がしたいから・・・」。エース兼4番打者。各カード1回戦では先発し、2回戦は指名打者で登場。今春2部で優勝して入れ替え戦を制し、最後の秋は強豪ひしめく1部でプレーするためには、名大の打撃は非力。七原が力投しても接戦をものにできない試合が幾つもあった。3月に予定している和歌山・有田キャンプでも「右のスラッガー七原」としてパワーアップがテーマになるという。
高校野球の監督を目指して名大教育学部に現役で入学し、国際社会文化コースで学ぶ。知立東高でも140キロを投げる本格派だったが、体幹と下半身を鍛えると一昨年秋には150キロを突破。「国立の星」となった。昨年は8月に愛知大学リーグ選抜の一員として中日2軍を相手に1イニング1安打無失点と好投し、秋にはかつては1部リーグの常連校だった愛工大戦でノーヒットノーランを達成。中日・中田スカウト部長は「タマの速さは魅力。地元の大学生でマークするのは七原」と言い切るまでの存在となった。
「野球は大学まで」と心に決めていたのだが、自信が深まるにつれ、気持ちに変化。「社会人で野球を続けたい」と言い出すと、名大・真野恭一監督(53)が勤務するトヨタ自動車が獲得に向けて真っ先に名乗りを上げた。
高校の仲間とか周囲は「プロにいけ」と盛んに勧めるというが、自称「慎重居士」の七原は進路をあわてて決める気持ちはない。「まだ1年ある。ゆっくりと考えればいい」。自宅のある愛知県刈谷市内の焼き肉店で接客のアルバイトにも励む。オフは週に3〜4日、シーズン中は週に1〜2日。「ホール担当って忙しい時は疲れます」。国立の星といっても、その姿は一般の大学生と変わらない。野球にバイトに全力投球である。(阿知波浩二)
■ライバルは愛工大の北出
七原に対抗する球速がある本格派右腕が、愛知大学2部リーグにいる。愛工大の北出だ。昨秋は故障で出遅れたが、快速球は一級品。愛工大でチームメートの国岡もしなやかな腕の振りをした好右腕。父親・恵治さん(61)は鴨島商(徳島)から阪急(現オリックス)にドラフト2位指名で70年に入団。左の本格派でカーブを武器とした。野手では、中部学院大・野間に注目。左の好打者で、攻守走3拍子そろった俊足強肩の中堅手である。
▼七原優介(ななはら・ゆうすけ) 1992(平成4)年7月23日、愛知県刈谷市生まれの21歳。180センチ、79キロ、右投げ右打ち。小垣江(おがきえ)小2年から軟式の「小垣江ファイターズ」で野球を始めた。依佐美中では軟式野球部で捕手。知立東高には捕手として入部したが、1年夏に投手転向。2年秋から主戦となったが、最後の夏の愛知大会は3回戦で成章に惜敗。大学では1年春からベンチ入り。愛知大学リーグの2部に昇格した今春は7試合登板で4勝2敗、65イニング1/3を投げ防御率0.14(自責点1)。
(2014年1月9日 中日スポーツ8面より)
中日が今秋ドラフト候補に名大・七原優介投手(3年)をリストアップしている。愛知大学リーグでは2部ながら、最速152キロを誇る快腕。地元の社会人の強豪・トヨタ自動車(愛知)入りが有力とみられるが、仮にプロ入りとなれば、名大から初の快挙となるだけに注目を集めそうだ。
大学野球ラストイヤーを迎え、大きな宿題を抱えている。名大を1部リーグに押し上げることを目標に掲げる七原にとって、投げることだけが役目ではないのだ。「コンスタントに打てるような力をつけたい。最後は1部に上がって、強い相手と野球がしたいから・・・」。エース兼4番打者。各カード1回戦では先発し、2回戦は指名打者で登場。今春2部で優勝して入れ替え戦を制し、最後の秋は強豪ひしめく1部でプレーするためには、名大の打撃は非力。七原が力投しても接戦をものにできない試合が幾つもあった。3月に予定している和歌山・有田キャンプでも「右のスラッガー七原」としてパワーアップがテーマになるという。
高校野球の監督を目指して名大教育学部に現役で入学し、国際社会文化コースで学ぶ。知立東高でも140キロを投げる本格派だったが、体幹と下半身を鍛えると一昨年秋には150キロを突破。「国立の星」となった。昨年は8月に愛知大学リーグ選抜の一員として中日2軍を相手に1イニング1安打無失点と好投し、秋にはかつては1部リーグの常連校だった愛工大戦でノーヒットノーランを達成。中日・中田スカウト部長は「タマの速さは魅力。地元の大学生でマークするのは七原」と言い切るまでの存在となった。
「野球は大学まで」と心に決めていたのだが、自信が深まるにつれ、気持ちに変化。「社会人で野球を続けたい」と言い出すと、名大・真野恭一監督(53)が勤務するトヨタ自動車が獲得に向けて真っ先に名乗りを上げた。
高校の仲間とか周囲は「プロにいけ」と盛んに勧めるというが、自称「慎重居士」の七原は進路をあわてて決める気持ちはない。「まだ1年ある。ゆっくりと考えればいい」。自宅のある愛知県刈谷市内の焼き肉店で接客のアルバイトにも励む。オフは週に3〜4日、シーズン中は週に1〜2日。「ホール担当って忙しい時は疲れます」。国立の星といっても、その姿は一般の大学生と変わらない。野球にバイトに全力投球である。(阿知波浩二)
■ライバルは愛工大の北出
七原に対抗する球速がある本格派右腕が、愛知大学2部リーグにいる。愛工大の北出だ。昨秋は故障で出遅れたが、快速球は一級品。愛工大でチームメートの国岡もしなやかな腕の振りをした好右腕。父親・恵治さん(61)は鴨島商(徳島)から阪急(現オリックス)にドラフト2位指名で70年に入団。左の本格派でカーブを武器とした。野手では、中部学院大・野間に注目。左の好打者で、攻守走3拍子そろった俊足強肩の中堅手である。
▼七原優介(ななはら・ゆうすけ) 1992(平成4)年7月23日、愛知県刈谷市生まれの21歳。180センチ、79キロ、右投げ右打ち。小垣江(おがきえ)小2年から軟式の「小垣江ファイターズ」で野球を始めた。依佐美中では軟式野球部で捕手。知立東高には捕手として入部したが、1年夏に投手転向。2年秋から主戦となったが、最後の夏の愛知大会は3回戦で成章に惜敗。大学では1年春からベンチ入り。愛知大学リーグの2部に昇格した今春は7試合登板で4勝2敗、65イニング1/3を投げ防御率0.14(自責点1)。
(2014年1月9日 中日スポーツ8面より)