HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て
2013.12.23
全日本レスリング 登坂2連覇 女子48キロ級
レスリングの全日本選手権第2日は22日、東京・代々木第二体育館で行われ、女子は48キロ級で世界選手権優勝の登坂絵莉(至学館大)が決勝で入江ゆき(九州共立大)に14−4でテクニカルフォール勝ちし、2年連続2度目の優勝を達成した。
67キロ級は世界選手権銅メダルの土性沙羅(どしょう・さら、至学館大)が昨年63キロ級優勝の工藤佳代子(自衛隊)に圧勝して3連覇。
男子フリースタイルは74キロ級でロンドン五輪代表の高谷惣亮(ALSOK)が3年連続3度目の制覇。96キロ級は山口剛(ブシロード)が2連覇。グレコローマンスタイルは藤村義(つとむ、自衛隊)が74キロ級を初めて制し、66キロ級時代を合わせて3度目の優勝。74キロ級で4度優勝の鶴巻宰(つかさ、自衛隊)も84キロ級で2階級制覇を達成した。120キロ級は前川勝利(早大)が2連覇した。
■女王の誇り 必死の逆転
ライバルはもう何もできない。それでも登坂は入江を何度も押さえつけ、ひっくり返して得点を重ねた。「ここで相手を離したら負けてしまうと思った」。揺らぎかけた世界女王の誇りを取り戻すために必死だった。
女子48キロ級決勝。3カ月前に誕生した世界の金メダリストが、昨年のこの大会まで勝てずにいた入江に苦戦した。第1ピリオドを終え0−4。「苦しかったけどかえって攻め方を絞れた」。足固めから大量得点を奪う策を胸に第2ピリオドのマットに向かった。
好機は開始1分弱でやってきた。タックルで体勢を崩し、相手が背後を取られまいと身をよじらせたところで両足首をがっちり抱え込んだ。連続のローリングとニアフォールで計13得点。不服な相手のビデオ判定の要求も退けられ、14−4で決着した。
一緒に練習する吉田沙保里(ALSOK)からは「世界で勝ったからには余裕を持つことも必要」と助言されたが、心中は「全日本が来るのが怖かった。負けたら世界チャンピオンになった意味がない」。重圧を乗り越えたことで、逆に強い自覚が生まれた。「上の階級から移行する人もいてもっと追われる立場になる。五輪まで、生活の全てをレスリングに注ぎ込む」 (鈴木智行)
(2013年12月23日 中日新聞朝刊15面より)
67キロ級は世界選手権銅メダルの土性沙羅(どしょう・さら、至学館大)が昨年63キロ級優勝の工藤佳代子(自衛隊)に圧勝して3連覇。
男子フリースタイルは74キロ級でロンドン五輪代表の高谷惣亮(ALSOK)が3年連続3度目の制覇。96キロ級は山口剛(ブシロード)が2連覇。グレコローマンスタイルは藤村義(つとむ、自衛隊)が74キロ級を初めて制し、66キロ級時代を合わせて3度目の優勝。74キロ級で4度優勝の鶴巻宰(つかさ、自衛隊)も84キロ級で2階級制覇を達成した。120キロ級は前川勝利(早大)が2連覇した。
■女王の誇り 必死の逆転
ライバルはもう何もできない。それでも登坂は入江を何度も押さえつけ、ひっくり返して得点を重ねた。「ここで相手を離したら負けてしまうと思った」。揺らぎかけた世界女王の誇りを取り戻すために必死だった。
女子48キロ級決勝。3カ月前に誕生した世界の金メダリストが、昨年のこの大会まで勝てずにいた入江に苦戦した。第1ピリオドを終え0−4。「苦しかったけどかえって攻め方を絞れた」。足固めから大量得点を奪う策を胸に第2ピリオドのマットに向かった。
好機は開始1分弱でやってきた。タックルで体勢を崩し、相手が背後を取られまいと身をよじらせたところで両足首をがっちり抱え込んだ。連続のローリングとニアフォールで計13得点。不服な相手のビデオ判定の要求も退けられ、14−4で決着した。
一緒に練習する吉田沙保里(ALSOK)からは「世界で勝ったからには余裕を持つことも必要」と助言されたが、心中は「全日本が来るのが怖かった。負けたら世界チャンピオンになった意味がない」。重圧を乗り越えたことで、逆に強い自覚が生まれた。「上の階級から移行する人もいてもっと追われる立場になる。五輪まで、生活の全てをレスリングに注ぎ込む」 (鈴木智行)
(2013年12月23日 中日新聞朝刊15面より)