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2008.10.22
4年佐藤が引っ張る 名城大3年ぶり日本一へ 全日本大学女子駅伝 26日号砲
第26回全日本大学女子駅伝は26日、仙台市の宮城陸上競技場をスタート、仙台市役所前をゴールとする6区間38・6キロで行われる。3年ぶりの日本一を狙う名城大のカギは佐藤絵理主将(4年)。1年時にエース区間を快走して初優勝の立役者となったが、その後は苦戦。チームも優勝から遠ざかってきた。最終学年となり、集大成として迎える「杜(もり)の都決戦」。先輩譲りの気迫で“有終の美”を飾る。 (寺西雅広)
1年生にも勢い
4年分の思いを込める。名城大を、大学陸上界をけん引してきたエース・佐藤。歓喜があった。苦難もあった。すべては、この時のためだ。
「つらい時もあったけど、つらいと思えるのは1年の時の走りがあったから。この大会を総仕上げにしたい」
1年生だった05年。全日本大学女子駅伝で当時のエース区間・4区を任され、堂々の区間賞。ライバル・立命大をぶっちぎり、チームを日本一に導いた。だが、その冬、右足を疲労骨折。以降、波に乗りきれない佐藤と歩調を合わせるようにチームも苦戦。毎年、優勝候補に挙げられながら昨年は3位に終わった。
「1年生の時は怖いもの知らずでいけた。今は…。正直、空回りしている部分はある」
主将となった今年も「春は調子が上がらなくて…」。9月の日本学生対抗選手権は一万メートル16位。完調とは言えないが、それでもチームの浮沈を託されるのはエースの宿命。米田勝朗監督(40)は変わらぬ期待をかける。
「カギは4年生。佐藤が1年生の時も4年生がいい走りを見せてくれた。あの気迫を、今度は佐藤が見せてほしい」
3年前の主将・田中真知(現積水化学)。かつて大学陸上界のトップにいた先輩も、最終学年はスランプで苦しんだ。だが、本番では2区で10人抜きの激走。佐藤の逆転劇へタスキをつないだ。
「今になって真知さんの気持ちが分かる気がする。苦しい中でチームを引っ張った姿を私は見ている。真知さんが残してくれたものがある」
当時のように、1年生に勢いがある今年。下からの突き上げで、全体的なレベルは例年以上。今季はまだ試合があるが「これが一番、大きな目標。最後に監督を喜ばせたい」。エースの重荷を背負ってきた4年間。歓喜の瞬間を、チームへの置き土産にする。
(2008年10月22日 中日スポーツ12面より)
1年生にも勢い
4年分の思いを込める。名城大を、大学陸上界をけん引してきたエース・佐藤。歓喜があった。苦難もあった。すべては、この時のためだ。
「つらい時もあったけど、つらいと思えるのは1年の時の走りがあったから。この大会を総仕上げにしたい」
1年生だった05年。全日本大学女子駅伝で当時のエース区間・4区を任され、堂々の区間賞。ライバル・立命大をぶっちぎり、チームを日本一に導いた。だが、その冬、右足を疲労骨折。以降、波に乗りきれない佐藤と歩調を合わせるようにチームも苦戦。毎年、優勝候補に挙げられながら昨年は3位に終わった。
「1年生の時は怖いもの知らずでいけた。今は…。正直、空回りしている部分はある」
主将となった今年も「春は調子が上がらなくて…」。9月の日本学生対抗選手権は一万メートル16位。完調とは言えないが、それでもチームの浮沈を託されるのはエースの宿命。米田勝朗監督(40)は変わらぬ期待をかける。
「カギは4年生。佐藤が1年生の時も4年生がいい走りを見せてくれた。あの気迫を、今度は佐藤が見せてほしい」
3年前の主将・田中真知(現積水化学)。かつて大学陸上界のトップにいた先輩も、最終学年はスランプで苦しんだ。だが、本番では2区で10人抜きの激走。佐藤の逆転劇へタスキをつないだ。
「今になって真知さんの気持ちが分かる気がする。苦しい中でチームを引っ張った姿を私は見ている。真知さんが残してくれたものがある」
当時のように、1年生に勢いがある今年。下からの突き上げで、全体的なレベルは例年以上。今季はまだ試合があるが「これが一番、大きな目標。最後に監督を喜ばせたい」。エースの重荷を背負ってきた4年間。歓喜の瞬間を、チームへの置き土産にする。
(2008年10月22日 中日スポーツ12面より)