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2013.09.07
ロボスーツで歩行訓練 鈴鹿医療科学大 事業スタート まひの患者ら対象
足の不自由な人を対象に、ロボットスーツを使って歩行トレーニングをする事業が5日、鈴鹿市の鈴鹿医療科学大白子(しろこ)キャンパスで始まった。使用するのは、サイバーダイン社(茨城県つくば市)が開発したHAL(ハル)。事業を運営する子会社の鈴鹿ロボケアセンターは、津市や四日市市の住民へと対象者を広げる考えだ。
脳血管障害や脊髄(せきずい)損傷、脳性まひなどを抱える人が対象。ハルは、足を動かそうとする脳からの神経信号を感知して関節部を動かし、装着した人の動きを補助する。意思と体の動きを一致させる訓練を通して、神経伝達や運動機能を回復させる。
5日は、鈴鹿市内の7人が利用した。脳出血のために4年前から左半身がまひしているという小林正夫さん(69)=津賀町=は、鈴鹿ロボケアセンターが募った開所前のモニターを含めて3回目の訓練。「最初はどんなものか分からずこわごわだったが、全く動かなかった足が少し上がるようになり自信が付いてきた」と話す。
コースは90分間で1回7000円。前後のカウンセリングや装着に45分、実際の訓練に45分を充てる。訓練では、トレーナーとともにモニターで体の重心などを確認しながら、立ったり座ったりする運動やウオーキングマシンでの歩行などに取り組む。
症例にもよるが、サイバーダインによるつくば市のトレーニング拠点での実績では、週1度の訓練を10回前後繰り返すと改善の兆候がみられる場合が多いという。
ロボケアセンターは事業を通じ、最適なメニュー作りや地元企業と連携した周辺機器の開発を進める。鈴鹿市は、在宅で身体障害者手帳1、2級を持つ市民の自立支援策として、10回分の訓練費を全額負担。訓練を促すことで、地域経済への波及効果を生み出すことも狙っている。
センターでは当面、1日10人ほどを受け入れ、徐々に周辺地域や足腰が弱った高齢者などにも対象を広げる。トレーニング室でハルを使ったリハビリをするデイサービス事業、訪問介護事業なども始める。センターの磯村昌則マネジャーは「地域の人の福祉や健康に貢献しながら、鈴鹿独自の研究を進めて発展させたい」と話す。(鈴木智重)
(2013年9月7日 中日新聞朝刊津市民版より)
脳血管障害や脊髄(せきずい)損傷、脳性まひなどを抱える人が対象。ハルは、足を動かそうとする脳からの神経信号を感知して関節部を動かし、装着した人の動きを補助する。意思と体の動きを一致させる訓練を通して、神経伝達や運動機能を回復させる。
5日は、鈴鹿市内の7人が利用した。脳出血のために4年前から左半身がまひしているという小林正夫さん(69)=津賀町=は、鈴鹿ロボケアセンターが募った開所前のモニターを含めて3回目の訓練。「最初はどんなものか分からずこわごわだったが、全く動かなかった足が少し上がるようになり自信が付いてきた」と話す。
コースは90分間で1回7000円。前後のカウンセリングや装着に45分、実際の訓練に45分を充てる。訓練では、トレーナーとともにモニターで体の重心などを確認しながら、立ったり座ったりする運動やウオーキングマシンでの歩行などに取り組む。
症例にもよるが、サイバーダインによるつくば市のトレーニング拠点での実績では、週1度の訓練を10回前後繰り返すと改善の兆候がみられる場合が多いという。
ロボケアセンターは事業を通じ、最適なメニュー作りや地元企業と連携した周辺機器の開発を進める。鈴鹿市は、在宅で身体障害者手帳1、2級を持つ市民の自立支援策として、10回分の訓練費を全額負担。訓練を促すことで、地域経済への波及効果を生み出すことも狙っている。
センターでは当面、1日10人ほどを受け入れ、徐々に周辺地域や足腰が弱った高齢者などにも対象を広げる。トレーニング室でハルを使ったリハビリをするデイサービス事業、訪問介護事業なども始める。センターの磯村昌則マネジャーは「地域の人の福祉や健康に貢献しながら、鈴鹿独自の研究を進めて発展させたい」と話す。(鈴木智重)
(2013年9月7日 中日新聞朝刊津市民版より)