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中日新聞掲載の大学記事

2013.09.07

愛知大学野球 秋季リーグきょう開幕 好打者そろい踏み

 愛知大学野球秋季リーグ(中日新聞社後援)は7日、名古屋市の瑞穂球場で開幕し、7週にわたる熱戦の火ぶたが切られる。春季はともに2年生で敢闘賞を受賞した中部大の神鳥、打撃賞(首位打者)を獲得した名城大の長谷川をはじめ、各校の好打者が台頭。昨年まで「投高打低」の傾向が強かったリーグ戦から一転し、最後まで目が離せないスリリングな試合展開が続いて観客を大いに沸かせた。神鳥、長谷川を中心に1部の6校にそろう個性豊かな打者を紹介する。

■投打充実 愛院大どう攻略

 2季ぶりの優勝を狙う愛院大が投打に充実している。春は安定感のある投手陣で7季ぶりにリーグ戦を制した愛大、強力打線の中部大が追う。

 春に7連覇を逃した愛院大は波多野、原崎の両左腕や大蔵ら実力派の投手がそろう。右肘痛だった萩原が復調すれば一層充実する。打線は春に打率3割5分で新人賞を獲得した辻直や4番纐纈ら2年生以下の選手の能力が高い。

 愛大の春秋連覇はバッテリーの活躍が不可欠。投手陣は春に最優秀防御率賞(0.86)に輝いた左腕水越、登板した7試合全て完投した森の二枚看板。3番手以降の投手に不安が残るが、「4番・捕手」の松本道が攻守でチームを引っ張る。

 中部大は神鳥、辻らの打線に長打力がある。春はリーグ1位の62得点、5本塁打(タイ)。二塁打27は断トツだった。春は9試合に登板した左腕木村ら、投手陣の奮起が躍進の鍵を握る。

 昨年からの主力が多く残る名城大は、効率よく得点できるかが課題。春のチーム打率は2割7分でトップだったが、盗塁ゼロ。機動力が上積みされれば優勝も狙える。

 名商大は140キロ台後半の直球を持つ、本格派右腕吉岡がチームの柱。スタミナ面に不安はあるが、右肘痛で出遅れている大野やフォークボールを得意とする森本でカバーしたい。

 7季ぶりに1部に復帰した中京大は清水、岡部の両左腕の活躍次第では、上位に浮上する可能性を秘めている。打線も力があり、1番山中の出塁が鍵を握る。

■配球読み 逃さない 名城大・長谷川裕記

 正捕手のけがでめぐってきたチャンスを逃さなかった。春季リーグ戦は打率3割9分4厘(33打数13安打)で首位打者。「データを見て投げる確率が高いところを狙っていた」。名城大の長谷川裕記(2年・豊川)は捕手らしく相手の配球を読んで安打を量産した。

 166センチ、68キロ。「長打は狙えないので、何とかバットに当てようと考えた」。41打席で三振はわずか2。役割は心得ており、右打ちなどチーム打撃に徹した。

 8番でスタートした打順もリーグ戦終盤には5番に昇格。ただ優勝候補にも挙がった春のチームは4位と低迷し、責任を感じている。打力が認められて秋は指名打者での起用も見込まれるが、「リード面でも成長して捕手で出場したい」と決意を新たにしている。

 「試合はけんか」。高校時代のコーチが盛んに語った言葉を好む。「打つという気持ちが強い選手が打てる」。小さな体に闘志を秘めている。

■長打力 見せつける 中部大・神鳥(かんどり)猛流(たける)

 中部大の神鳥猛流(2年・享栄)は4番に定着した春季リーグ戦で、いずれも最多の3本塁打、18打点と自慢の長打力を見せつけた。特に愛大戦でのサヨナラ満塁本塁打は強烈なインパクトを与えた。

 腕力に頼る打撃に終始し、結果が残せなかった昨年のリーグ戦。出直しを誓って冬から堀田監督の個人指導を受けた。バットを振り切らない「寸止め」といった独特のティー打撃を繰り返し、力任せでなく下半身を使って球を飛ばす方法を身に付けた。昨年は100キロ近かった体重も食事制限などの努力が実り、約10キロの減量に成功。体の切れが鋭さを増した打球の下地となった。

 夏は「追い込まれても変化球を打てるように」と、タイミングの取り方を意識して練習に取り組んだ。「春はみんながチャンスで回してくれたから結果が出せた。おごらずチームに貢献したい」。謙虚な姿勢を崩さずに秋へ臨む。

◇注目選手意気込み◇

■逆方向にも強打 愛院大・纐纈(こうけつ)隼基(としき)

 春のリーグ戦は11安打中7本が長打。常に外野手の頭を越す打球を狙っている。逆方向へも強い打球を打てるのが強みで、選球眼にも自信がある。春の柵越えは1本だけ。本塁打には試合の流れを変える力があるので秋はもっと打ちたい。(2年・美濃加茂)

■打率3割で貢献 名商大・大西隆太

 高校時代から逆方向への打撃を意識していて、両方向へ強い打球を飛ばせるのが自分の持ち味。春はチームトップの9打点だったが納得はしていない。もっと好機で打てた。秋は個人的には打率3割を目標に、明治神宮大会出場に貢献したい。(3年・津田学園)

■100安打あと5本 愛大・松本道成

 1年生春から公式戦全試合に出場し、リーグ戦の通算安打数は95。目標の100安打までもう少し。来た球を感覚的に打つスタイルで、打席では体の軸がぶれないよう意識している。春は最優秀選手を取れたが、もっと打てたと反省している。(4年・西脇工)

■1番で引っ張る 中京大・山中渉伍

 7季ぶりに1部で戦う。1年生の春は打率4割6分7厘で首位打者を取った。高校時代に全国優勝を経験したが、満足せず大学野球に取り組めたことで結果が出たと思う。秋は積極的に振っていく1番打者として、チームを勢いづけたい。(4年・中京大中京)

<1部の日程>
 9月 7日 愛大−中京大 愛院大−中部大 名城大−名商大(瑞穂)
 9月 8日 中部大−愛院大 中京大−愛大 名商大−名城大(瑞穂)
 9月14日 愛院大−中京大 中部大−名商大(瑞穂)
 9月15日 名商大−中部大 中京大−愛院大(瑞穂)
 9月21日 愛大−名商大 名城大−中京大(愛院大)
 9月22日 中京大−名城大 名商大−愛大(豊田)
 9月28日 愛大−中部大 愛院大−名城大(豊田)
 9月29日 名城大−愛院大 中部大−愛大(豊田)
10月 5日 愛院大−名商大 中部大−中京大(瑞穂)
10月 6日 中京大−中部大 名商大−愛院大(名城大)
10月12日 愛大−名城大 名商大−中京大(瑞穂)
10月13日 中京大−名商大 名城大−愛大(愛院大)
10月19日 愛大−愛院大 中部大−名城大(名商大)
10月20日 名城大−中部大 愛院大−愛大(瑞穂)
(注)対戦カードの右は球場。開始時間は3試合の日が9時半、2試合の日が10時

<2、3部の大学>
【2部A】東海学園大、愛知工業大、名古屋大、愛知学泉大、至学館大、日本福祉大
【2部B】愛知産業大、星城大、名古屋産業大、名古屋経済大、同朋大、愛知東邦大
【3部A】名古屋学院大、愛知教育大、愛知淑徳大、名古屋外国語大、大同大
【3部B】南山大、名古屋市立大、名古屋工業大、豊橋技術科学大、愛知みずほ大

(2013年9月7日 中日新聞朝刊28面より)
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