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中日新聞掲載の大学記事

2013.06.23

オリエンテーリングをメジャーに!! 椙山女学園大 守屋初の日本代表だ

■29日からジュニア世界選手権

 地図とコンパスを頼りに山中を走ってタイムを競うオリエンテーリングのジュニア世界選手権(29日〜7月6日、チェコ)で、椙山女学園大の守屋舞香(2年)が初の日本代表に選ばれた。女子のロング(6.9キロ)、ミドル(2.6、2.9キロ)、スプリント(3キロ)、リレー(1人4.4キロ)のうち、複数種目に出場を予定している守屋が、マイナー競技からの脱却を願って大舞台を上位で駆け抜ける。

■いつか五輪種目に

 初の日の丸に胸が高鳴る。4月に長野県であった選考会。守屋は女子ミドルで4位に入り、昨年のインカレでロング女子新人クラス優勝の実績もあって代表入りを決めた。「すごくうれしい気持ちと、初めての世界の舞台でどこまでやれるか不安もある。でも勝てるところまでいきます」。JAPANのユニホームを着た女子大生がにっこり笑って練習に向かった。

 地元は浜松市だが、周辺は緑に囲まれている。「山が好きなので興味があった。山を登るのではなく、走ることが楽しそうで」と、高校で取り組んだ弓道をやめて椙山女学園大のオリエンテーリング部に入った。身長147センチ。山中に倒れた木々をくぐり抜けてタイムロスを少なくでき、小柄な体格も生かせることができた。

 代表に選ばれ、初の大舞台で結果が残せるよう先輩にアドバイスをもらった。同大で初めて昨年ジュニア世界選手権に出場した星美沙(3年)からだ。日本の大会とは環境もコースも全く異なるため「レース前の過ごし方が大事。緊張が伝わると周りの代表メンバーにも影響するから」。守屋は好きなアーティストYUIの曲を聴いたり、ほかの代表選手とおしゃべりしたりするリラックス法で臨むつもりだ。

 五輪種目でなく、数あるスポーツの中でも耳慣れないオリエンテーリング。「もっとメジャーになってほしい。オーストラリアではサッカーよりも有名。日本でもこんなスポーツがあることを知ってほしい。いつかは五輪で競技が実施されて出られたらいい」。勝利はもちろん、競技普及のため小さな女子大生が大きな使命を背負って世界デビューを飾る。 (永井響太)

 ▼守屋舞香(もりや・まいか) 1993(平成5)年9月17日生まれの19歳。浜松市出身。147センチ。静岡県立佐久間高から椙山女学園大に進み、オリエンテーリングを始める。昨年のインカレでロング女子新人クラス優勝。趣味は音楽鑑賞。

 ▼オリエンテーリング 等高線や地形を記した地図とコンパスを使って大自然の中を駆けめぐり、指定された順番でコントロール(通過地点)をたどりながらゴールするまでの時間を競うスポーツ。19世紀にスウェーデン軍が訓練の一環で始めたとされる。体力だけでなく、効率よくコントロールを回るための知力も要求される。基本的にロング、ミドル、スプリント、リレーの4種目。大会は性別、年齢、難易度でクラス分けがされていて、老若男女で楽しめる。日本オリエンテーリング協会によると、国内の選手登録は約1400人で愛好家は約3000人(ともに昨年度)。

(2013年6月23日 中日スポーツ11面より)
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