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中日新聞掲載の大学記事

2013.06.12

5月中旬以降 搬送4件 梅雨時こそ熱中症対策 春日井市統計「水分補給が肝要」

 春日井市内で5月中旬以降、熱中症とみられる症状で男性4人が搬送された。いずれも軽症だったものの、体が暑さに慣れていないこの時期こそ、注意が必要だ。梅雨の晴れ間の急な気温上昇時など、夏本番前でも熱中症対策が求められる。(磯部旭弘)

 市内の気温が5月中旬から30度を超えたことから、市消防本部は、例年より2週間ほど早い同14日から、熱中症搬送の統計を取り始めた。

 14日、市内の最高気温は30度超。午前中から屋外で作業をしていた男性(64)はその後、冷房を付けずにトラックを運転。手足がしびれるなどの症状が出て搬送された。

 ほかにも同18日、同31日、6月1日に各1件ずつ、40〜90代の男性3人が軽い熱中症とみられる症状で病院に運ばれた。それぞれ「デイサービスの送迎車を屋外で待っていたときに気分が悪くなった」「ゴルフ中に足がつった」「屋外で作業をしていて、体がしびれた」などと症状を訴えた。

 中部大生命健康科学部教授(内科学)の近藤孝晴さん(66)によると、梅雨の晴れ間などの急な気温の上昇は、熱中症患者を急増させる要因。市消防本部と気象庁のデータを基に、過去3年の市内の熱中症搬送件数をみると、1カ月から1カ月半程度の梅雨時期にも熱中症で搬送される人は多い。

 湿度が高くなると、乾くときに体温を下げる汗が蒸発しにくく、余計に熱が体内にたまりやすい。「同じ気温でも湿度が高いと、熱中症になる可能性も高まる」と近藤さん。予防には水分補給が必要。塩分を補うスポーツドリンクなども望ましいという。

 屋外だけでなく、室内でも熱中症は起こる。近藤さんは「風通しの良い環境にし、無理をせずにエアコンを付けるなど、対策が必要」と注意を促す。市消防本部も体調管理に気を配って生活するよう呼び掛けている。

(2013年6月12日 中日新聞朝刊近郊版より)
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