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中日新聞掲載の大学記事

2013.06.12

全日本大学野球選手権 4安打完封10K 森 愛大が初戦突破!次は桐蔭横浜大

 愛大(愛知)は延長10回、タイブレークの末に奈良産大(近畿学生)に1−0で勝ち、前回出場した2003年以来となる初戦突破を果たした。先発したエース・森貴之投手(3年・天白)は4安打完封、10奪三振の力投を見せた。中部学院大(東海地区)はタイブレークの延長10回、福岡大(九州六)に3−4で逆転サヨナラ負け。福井工大(北陸)は上武大(関甲新学生)に1−8で7回コールドで敗れた。

■丁寧に内外角 投げ分ける

 左手のグラブを高く掲げて喜ぶ森を、ベンチから飛び出したナインがあっという間に包み込んだ。延長10回、タイブレークでは決して十分とはいえない1点のリードを守り切り、愛大が初戦を突破した。「(先輩左腕の)水越さんがいるのにタイブレークも投げさせてもらった。信頼されていると思った」。意気に感じたエースが10年ぶりの勝利をもたらした。

 スクイズや送りバントの失敗など打線のミスが続いても、気持ちは切れなかった。苦手の立ち上がりは1、2回に走者を三塁に背負ったが、冷静に対応。「全国大会はストライクゾーンが広いと聞いた。使わない手はない」。ピンチを無失点で切り抜けると、1死満塁から始まるタイブレークでも三邪飛、二ゴロと落ち着いて2つのアウトを奪った。最速146キロを誇る直球は140キロにも満たなかったが、丁寧に内外角に投げ分けて、リードを守り切った。

 いつも笑みを絶やさない柔和なエースだが、内に秘めた意志は強い。天白中時代は軟式野球部に所属し、愛知県大会で優勝。高校進学の際は県内の強豪私学からも勧誘されたが、「強いチームを倒したい」と地元の天白高を選んだ。全国大会は初体験だった。「やることは一緒。緊張は特になかった」。監督として全国大会初勝利となった八田剛監督(41)は「彼のペースで放っていた。安心して見ていられた」と絶賛した。

 13日に東京ドームで予定される2回戦の相手は、昨秋の明治神宮大会優勝の桐蔭横浜大(神奈川)。「相手は強いけど、みんなの力を合わせて勝ちたい。1日空くので準備もできる」と森。勝ち抜けば、念願の神宮球場が待っている。 (麻生和男)

■拙守で初勝利逃す 中部学院大

 6年ぶり2度目の出場の中部学院大は手の届くところにあった全日本大学選手権初勝利を逃した。2−0でリードしていた終盤の8回、最も警戒していた福岡大の4番・梅野に手痛い同点2ランを浴びた。タイブレークとなった延長10回(1死満塁から攻撃開始)は味方二塁手の悪送球から逆転サヨナラ負けした。「守備中心に練習では鍛え、死ぬほどキャッチボールをしてきたのに」と原監督は肩を落とした。梅野に同点弾を許した2番手・斎藤は「注目されている選手なので力で抑えたかったのだけど・・・」とショックを隠せなかった。

(2013年6月12日 中日スポーツ9面より)
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