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中日新聞掲載の大学記事

2012.11.27

ローゼルを安城の特産に 障害者施設が実収穫 認知度アップ 消費拡大カギ

 知的障害者らを支援する安城市村高町のNPO法人「こすもす畑」の事業所に通う人たちが、同市寺領町の畑で、ハイビスカスの仲間のローゼルの実の収穫に励んでいる。実はジャムなどの原料となり、通所者と職員は「安城の新たな特産品にしたい」と夢を抱いている。(紙山直泰)

 ローゼルは、二酸化炭素(CO2)の吸収に優れた西アフリカ原産の一年草で、ケナフと同じアオイ科。5月上旬に発芽させ、苗を植えると、9月ごろには高さ1.2メートル以上に成長し、薄いピンクの花を付けて実を包み込むがくが食用になる。

 実は酸味があり、美容と健康に良いとされるアントシアニンと鉄分などが豊富に含まれているという。

 5年前からローゼルの栽培を始めたこすもす畑では、収穫した実をジャムや果実酢に製品化して、安城市横山町の「こだわりの店ロゼ」で販売し、栽培や販売に携わる障害者への工賃に充てている。

 10月末から、広さ700平方メートルの畑で始まった収穫作業には、11人の通所者が参加し、ローゼルの実を丁寧に摘み取っている。今月中に110キロの実を収穫する予定だ。

 刈谷市や豊川市にある別の障害者支援施設でもローゼルを扱うようになり、栽培面積は徐々に広がっている。しかし、認知度はまだ低く、消費拡大が課題となっている。

 活動を支援する安城市の市民グループ「自然に学び・ローゼルを育てる会」の高井邦彦会長(69)らは今年5月から、販路を広げるため安城農林高校と愛知学泉大と協力して、ローゼルのエキスを入れた新商品のジュレ(ゼリー)状のサラダドレッシング作りに取り組んでいる。

 こすもす畑の高橋尚希代表(41)は「安城の特産品として普及すれば、福祉にも役立つ」と期待している。(問)こだわりの店ロゼ=電0566(91)4799

(2012年11月27日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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