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2012.10.03
独居お年寄り交流カフェ 緑区 鳴子団地に名市大生開店
高齢化が進む緑区の鳴子団地で、独り暮らしのお年寄りの交流の場にと、名古屋市立大の学生が「おひさまカフェ」を開いている。手軽な値段で飲み物を提供し、お年寄りには「知り合った人と語らうのが楽しみ」と好評だ。将来的には、団地の住人自身が支え合う地域づくりのため、スタッフを学生から元気なお年寄りへ引き継ぐことも検討する。 (木下大資)
日曜日の昼下がり。集合住宅の1階にある福祉施設のテラスから食堂に入ると、十数人のお年寄りがコーヒーカップを片手に、よもやま話に花を咲かせていた。
「喫茶店はいくらでもあるけど、近所の皆が集まるこの場所が楽しみ」と中野いのさん(84)。団地に住んで45年。3年前に夫を亡くした。ほかのメンバーも、夫に先立たれた女性が多い。
約70棟、2000戸が並ぶ鳴子団地は日本住宅公団(現都市再生機構)が整備し、1962(昭和37)年に入居が始まった。介護保険事業などを営む地元のNPO法人「たすけあい名古屋」によると現在、団地の65歳以上の高齢化率は40%を超え、お年寄りの半数が独居という。
カフェは市立大の医学、薬学、看護学部の1年生による地域参加型学習の一環。10人の学生がたすけあい名古屋と協力して5月から構想を練り、7月にオープンした。引きこもりがちなお年寄りの外出を促し、交流や健康づくりに役立てる狙いだ。
営業は日曜日の午後2〜4時。利用者は200円を払い、学生が手作りしたメニューを見て飲み物を注文。パンや菓子も付く。
オープン当初は学生がお年寄りの間に入って場を盛り上げたが、最近は常連同士で自然に会話が弾むように。近隣で誘い合って訪れるなど、輪が広がりつつある。
「戸別訪問でチラシを渡して宣伝してきたかいがあった」と看護学部の石井綾乃さん(18)。医学部の木村理沙さん(18)は「お年寄りと話すのは、医療を目指す自分の勉強にもなる」と手応えを話す。医学研究科の早野順一郎教授(57)は「在宅医療や福祉を地域でやっていくために、大学のかかわり方を模索していけたら」と話している。
(2012年10月3日 中日新聞朝刊市民版より)
日曜日の昼下がり。集合住宅の1階にある福祉施設のテラスから食堂に入ると、十数人のお年寄りがコーヒーカップを片手に、よもやま話に花を咲かせていた。
「喫茶店はいくらでもあるけど、近所の皆が集まるこの場所が楽しみ」と中野いのさん(84)。団地に住んで45年。3年前に夫を亡くした。ほかのメンバーも、夫に先立たれた女性が多い。
約70棟、2000戸が並ぶ鳴子団地は日本住宅公団(現都市再生機構)が整備し、1962(昭和37)年に入居が始まった。介護保険事業などを営む地元のNPO法人「たすけあい名古屋」によると現在、団地の65歳以上の高齢化率は40%を超え、お年寄りの半数が独居という。
カフェは市立大の医学、薬学、看護学部の1年生による地域参加型学習の一環。10人の学生がたすけあい名古屋と協力して5月から構想を練り、7月にオープンした。引きこもりがちなお年寄りの外出を促し、交流や健康づくりに役立てる狙いだ。
営業は日曜日の午後2〜4時。利用者は200円を払い、学生が手作りしたメニューを見て飲み物を注文。パンや菓子も付く。
オープン当初は学生がお年寄りの間に入って場を盛り上げたが、最近は常連同士で自然に会話が弾むように。近隣で誘い合って訪れるなど、輪が広がりつつある。
「戸別訪問でチラシを渡して宣伝してきたかいがあった」と看護学部の石井綾乃さん(18)。医学部の木村理沙さん(18)は「お年寄りと話すのは、医療を目指す自分の勉強にもなる」と手応えを話す。医学研究科の早野順一郎教授(57)は「在宅医療や福祉を地域でやっていくために、大学のかかわり方を模索していけたら」と話している。
(2012年10月3日 中日新聞朝刊市民版より)