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2012.09.04
競泳インカレ7日開幕 中京大 男女アベックV今年こそ
7〜9日に東京・辰巳国際水泳場で開かれる競泳の日本学生選手権(インカレ)で、中京大(愛知)が男女アベック優勝を目指す。昨年は女子が初優勝したものの、連覇を狙った男子が僅差の2位に敗れ、男女Vは幻に。今年こそ、中京らしいチームワークを発揮して悲願を達成してみせる。
■最強世代卒業も後輩急成長
最強世代が去った後も、愛知の雄は戦う姿勢を崩さない。「やるからには、去年できなかった男女優勝がしたい」。昨年大会で50メートル自由形を制し、初の女子総合優勝の原動力になった雨宮未侑(3年)の言葉は力強い。
男子平泳ぎの冨田尚弥、女子自由形の岩下なつみら元日本代表を筆頭とした強力メンバーが今春卒業。5月の時点では「男女とも3位がいっぱいいっぱいのレベル」(佐々木祐一郎コーチ)だったが、夏場の鍛錬でチーム力が向上。アベック優勝を狙える位置までこぎ着けた。
■男子4冠狙う伊藤
男子は、4月の日本選手権でロンドン五輪代表の座を逃した自由形のエース伊藤健太(4年)が復調。50メートル、100メートルと400メートル、800メートル両リレーで4冠を狙う。同選手権400メートル自由形で優勝した日高郁弥(1年)が入学し、重要な得点源である自由形メンバーが充実した。同選手権100メートル自由形で伊藤はまさかの予選敗退。日高は優勝しながら日本水泳連盟が定める派遣標準記録を切れず、五輪切符を手に入れられなかった。それだけに2人は、個人優勝はもちろん内容にこだわる。伊藤が「50メートル、100メートルで日本新を出す」と言えば、日高も「派遣標準を切って雪辱したい」と高いレベルの目標を口にする。
昨秋まで背泳ぎが専門だった石井諒(4年)がバタフライに転向し、1年弱で100メートルでの決勝進出が見込めるまで成長。男子最大の弱点だったバタフライの“救世主”に名乗りを上げた。また平泳ぎの後藤涼佑(2年)が5月のジャパンオープン200メートルで6位に入るなど、自由形以外にもキーマンが現れており、2年ぶりの総合優勝に虎視眈々(たんたん)だ。
■女子は雨宮に期待
一方の女子は、50メートル自由形で連覇が期待される雨宮に加え、高校3年時に全国総体同種目を大会新で勝った金子栞(3年)も優勝圏内。初日に実施される同種目で勢いに乗れば、連覇も夢ではない。
男子のライバルと目される前年優勝の中大、女子の宿敵となる前年2位の日体大はロンドン五輪に代表を送り出したが、中京大は1人もいなかった。伊藤は悔しさを押し殺して言う。「気負うわけではないけど、チャンスはここしかない、という考えでいる」。五輪代表輩出校には負けられない。チーム一丸となって目標を果たし、“インカレに中京あり”を示す。 (斎藤正和)
■母校はIH総合V ダブルアベックを 豊川高出身の石井
石井の母校である愛知・豊川高は、8月の全国高校総体(IH)で男子が初めて総合優勝した。同校を卒業する際、石井は恩師や下級生に「豊川高がIHで優勝する年に、自分は中京大でインカレに優勝します」と宣言したという。卒業後は公務員を志望しており、インカレが現役最後の試合。「後輩たちの優勝を力にして、やれるところまでやりたい」。目標とする100メートルバタフライ、50メートル自由形両種目での表彰台を実現させ、母校との“アベック優勝”も狙う。
(2012年9月4日 中日スポーツ10面より)
■最強世代卒業も後輩急成長
最強世代が去った後も、愛知の雄は戦う姿勢を崩さない。「やるからには、去年できなかった男女優勝がしたい」。昨年大会で50メートル自由形を制し、初の女子総合優勝の原動力になった雨宮未侑(3年)の言葉は力強い。
男子平泳ぎの冨田尚弥、女子自由形の岩下なつみら元日本代表を筆頭とした強力メンバーが今春卒業。5月の時点では「男女とも3位がいっぱいいっぱいのレベル」(佐々木祐一郎コーチ)だったが、夏場の鍛錬でチーム力が向上。アベック優勝を狙える位置までこぎ着けた。
■男子4冠狙う伊藤
男子は、4月の日本選手権でロンドン五輪代表の座を逃した自由形のエース伊藤健太(4年)が復調。50メートル、100メートルと400メートル、800メートル両リレーで4冠を狙う。同選手権400メートル自由形で優勝した日高郁弥(1年)が入学し、重要な得点源である自由形メンバーが充実した。同選手権100メートル自由形で伊藤はまさかの予選敗退。日高は優勝しながら日本水泳連盟が定める派遣標準記録を切れず、五輪切符を手に入れられなかった。それだけに2人は、個人優勝はもちろん内容にこだわる。伊藤が「50メートル、100メートルで日本新を出す」と言えば、日高も「派遣標準を切って雪辱したい」と高いレベルの目標を口にする。
昨秋まで背泳ぎが専門だった石井諒(4年)がバタフライに転向し、1年弱で100メートルでの決勝進出が見込めるまで成長。男子最大の弱点だったバタフライの“救世主”に名乗りを上げた。また平泳ぎの後藤涼佑(2年)が5月のジャパンオープン200メートルで6位に入るなど、自由形以外にもキーマンが現れており、2年ぶりの総合優勝に虎視眈々(たんたん)だ。
■女子は雨宮に期待
一方の女子は、50メートル自由形で連覇が期待される雨宮に加え、高校3年時に全国総体同種目を大会新で勝った金子栞(3年)も優勝圏内。初日に実施される同種目で勢いに乗れば、連覇も夢ではない。
男子のライバルと目される前年優勝の中大、女子の宿敵となる前年2位の日体大はロンドン五輪に代表を送り出したが、中京大は1人もいなかった。伊藤は悔しさを押し殺して言う。「気負うわけではないけど、チャンスはここしかない、という考えでいる」。五輪代表輩出校には負けられない。チーム一丸となって目標を果たし、“インカレに中京あり”を示す。 (斎藤正和)
■母校はIH総合V ダブルアベックを 豊川高出身の石井
石井の母校である愛知・豊川高は、8月の全国高校総体(IH)で男子が初めて総合優勝した。同校を卒業する際、石井は恩師や下級生に「豊川高がIHで優勝する年に、自分は中京大でインカレに優勝します」と宣言したという。卒業後は公務員を志望しており、インカレが現役最後の試合。「後輩たちの優勝を力にして、やれるところまでやりたい」。目標とする100メートルバタフライ、50メートル自由形両種目での表彰台を実現させ、母校との“アベック優勝”も狙う。
(2012年9月4日 中日スポーツ10面より)