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中日新聞掲載の大学記事

2012.08.26

名市大で「全国会議」 戦争記憶いかに継承

 「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議」の大会が25日、瑞穂区の名古屋市立大で始まった。戦争の記憶をいかに継承するかをテーマに、26日まで市民団体がそれぞれの活動を報告する。県内での開催は11年ぶりで、初日は全国63団体の155人が参加した。 (木下大資)

■元愛教大教授南さん研究への問題意識を

 元愛知教育大教授の南守夫さんが、「日本における戦争関係博物館の現状と課題」と題して講演した。

 南さんは、国内では1990年代から戦争を肯定する思想による歴史博物館が増えていると指摘。ドイツの歴史博物館は日本とは対照的に、自国の空襲被害に関する展示の前に、必ず他国への加害の歴史を説明していることなどを紹介した。

 会の活動については「戦争の悲惨な実態を地道に調査し、伝えていくことは反戦平和につながる。だが『国のための尊い犠牲』といった意味づけをされる可能性もあり、記録研究に携わる問題意識が重要だ」と話した。

■犠牲者差なく補償を被害者連絡協杉山さん

 民間人の空襲被害者を救済する援護法の制定を訴える全国空襲被害者連絡協議会の杉山千佐子さん(96)=千種区=も出席。終戦直前に名古屋を襲った空襲で左目を失った体験を語り、「戦争の犠牲者は軍人も一般国民も差別なく補償すべきだ」とはっきりした口調で訴えた。

 26日は各地の団体が活動報告する分科会や戦跡見学会がある。

(2012年8月26日 中日新聞朝刊市民版より)
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