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中日新聞掲載の大学記事

2012.05.02

来年4月 薬工大学院 全国初 名市大、名工大が開設

■ナノ技術で特効薬開発

 薬学部を持つ名古屋市立大と工科系単科大の名古屋工業大は、創薬などの分野で先進的な研究に取り組むため、全国で初の薬工連携共同大学院を2013年4月に創設する。薬学に工学の技術を融合させ、がんや糖尿病などの特効薬開発を目指す。両大学は15日に名市大で新設の覚書を結ぶ。

 共同大学院は3年制の博士課程で、名称は「共同ナノメディシン科学専攻」。学生には薬工学の博士号を与える。定員は毎年7人の計21人。教授や准教授など研究者は20人程度となる。「機能医薬創成学」「医薬支援ナノ工学」「薬物送達・動態科学」の3部門を設け、将来的には修士課程も共同で新設する考えだ。

 創薬分野には、ナノ(10億分の1)メートル単位の極小粒子を取り扱う工学の技術が不可欠となり、工学知識を持つ研究者が求められている。

 従来注射で投与していた薬物を患者の負担が少ない飲み薬や貼り薬に変える際にも、工学系研究者によるカプセルや粘着剤開発が必要となる。

 両大学は07年に連携協定を締結し、薬工連携を進めてきた。名市大が10年に共同大学院新設を名工大に申し入れ、検討を重ねていた。7月までに開設に向けた準備委員会を設ける。

 創薬は次世代の産業として注目を集めている。両大学は、東海地方の創薬を担う新たな人材の育成を目指す。

 共同大学院は、大学院同士が共同で教育プログラムを実施する制度。国際的な大学間競争力を高めようと文部科学省が08年に創設した。

(2012年5月2日 中日新聞朝刊30面より)

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