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2012.03.08
東三河への震災避難者にアンケート 愛大生が実施 「息長い支援必要に」
■「寂しい」「永住は迷う」 前向きな言葉の一方 現状悩む人も
豊橋市の愛知大地域政策学部の学生が、東日本大震災で被災し東三河地域に避難している世帯を対象にアンケートをした。前向きに生活する人がいる一方で、「友達がおらず寂しい」など震災から1年近くたっても避難生活になじめない人がいる実態も浮かび上がった。(曽布川剛)
実施したのは、地域貢献活動に取り組む「たすけあい部」の1年生16人。昨年10月に発足し、11月に被災地向けのチャリティーイベント、今年2月には東三河への避難者を集めた交流会も開いた。
アンケートは1月中旬から2月中旬にかけ、県被災者支援センターが把握する避難者60世帯を対象に行い、31世帯から回答を得た。福島県からの避難世帯が22世帯と最も多く、放射線の影響が低いことを避難理由にあげる回答者が目立った。
自由記述では、「愛知県に来てからの支援で不自由のない生活を送れている」「子どもたちが公園に遊びに行けることが一番うれしい」など前向きな言葉が並んだ。
一方で、「(中部電力の)浜岡原発が近いので永住するか迷っている」など原発事故を心配する声や、「こんな遠い所にはずっとはいたくない」「よそ者に思われて、悲しくなって1人考えこむことが多くなった」など、現状を思い悩む記述もあった。
アンケートを担当した榊原春香さん(19)は「子どもへの放射線の影響を心配する家庭はいつ東北に帰れるか不安に思っている。息の長い支援が必要だと痛感した」と話す。たすけあい部は今後、アンケートを基に家族構成別や県別での交流会を計画していく。
【避難者の声】
◇困っていること
・働くところがない。(60代以上男性)
・1人でいるので1日中何もしない時は帰って友達に会いたいと思う日がある。(60代以上男性)
・荷物の送料などで数万円かかって少し大変だった。交通費の補助などがあれば、福島に荷物を取りに行ける。(30代女性)
◇自由記述
・放射能の心配も今のところ少なく人が親切で温かく愛知県に避難してきてよかった。
・原発のことで同じ思いをしたくないが、浜岡原発が近いので永住するかどうか迷っている。
・2人くらい友達がいるが、こんな遠い所にはずっといたくない。早く帰れるようにしてほしい。
・団地に住んでいるがあまり交流がない。
・ハローワークから仕事を探してもらっておかげさまで働いている。
・なんでここに居るのだろうと考え込んでしまうことが多くなってきた。宮城ナンバーの車で、よそ者と思われている状況が多い。地元に帰りたいが帰る場所もない。いろいろ話したいことはあるが、機会があればたくさん話したいと思う。
(2012年3月8日 中日新聞朝刊愛知総合版より)
豊橋市の愛知大地域政策学部の学生が、東日本大震災で被災し東三河地域に避難している世帯を対象にアンケートをした。前向きに生活する人がいる一方で、「友達がおらず寂しい」など震災から1年近くたっても避難生活になじめない人がいる実態も浮かび上がった。(曽布川剛)
実施したのは、地域貢献活動に取り組む「たすけあい部」の1年生16人。昨年10月に発足し、11月に被災地向けのチャリティーイベント、今年2月には東三河への避難者を集めた交流会も開いた。
アンケートは1月中旬から2月中旬にかけ、県被災者支援センターが把握する避難者60世帯を対象に行い、31世帯から回答を得た。福島県からの避難世帯が22世帯と最も多く、放射線の影響が低いことを避難理由にあげる回答者が目立った。
自由記述では、「愛知県に来てからの支援で不自由のない生活を送れている」「子どもたちが公園に遊びに行けることが一番うれしい」など前向きな言葉が並んだ。
一方で、「(中部電力の)浜岡原発が近いので永住するか迷っている」など原発事故を心配する声や、「こんな遠い所にはずっとはいたくない」「よそ者に思われて、悲しくなって1人考えこむことが多くなった」など、現状を思い悩む記述もあった。
アンケートを担当した榊原春香さん(19)は「子どもへの放射線の影響を心配する家庭はいつ東北に帰れるか不安に思っている。息の長い支援が必要だと痛感した」と話す。たすけあい部は今後、アンケートを基に家族構成別や県別での交流会を計画していく。
【避難者の声】
◇困っていること
・働くところがない。(60代以上男性)
・1人でいるので1日中何もしない時は帰って友達に会いたいと思う日がある。(60代以上男性)
・荷物の送料などで数万円かかって少し大変だった。交通費の補助などがあれば、福島に荷物を取りに行ける。(30代女性)
◇自由記述
・放射能の心配も今のところ少なく人が親切で温かく愛知県に避難してきてよかった。
・原発のことで同じ思いをしたくないが、浜岡原発が近いので永住するかどうか迷っている。
・2人くらい友達がいるが、こんな遠い所にはずっといたくない。早く帰れるようにしてほしい。
・団地に住んでいるがあまり交流がない。
・ハローワークから仕事を探してもらっておかげさまで働いている。
・なんでここに居るのだろうと考え込んでしまうことが多くなってきた。宮城ナンバーの車で、よそ者と思われている状況が多い。地元に帰りたいが帰る場所もない。いろいろ話したいことはあるが、機会があればたくさん話したいと思う。
(2012年3月8日 中日新聞朝刊愛知総合版より)