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中日新聞掲載の大学記事

2012.02.18

名門校パワー注入 愛知大学野球4部リーグから1部昇格狙う

■愛知学泉大で歴史つくるぞ
 豊田大谷で甲子園2度 後藤監督の熱いハートに打たれ今春入部
 中京高・主将 鈴木 中京大中京高・主将 藤浪

 愛知大学野球4部リーグの愛知学泉大に、名門高校野球部の主将2人が今春新入部する。中京大中京高(愛知)の藤浪大輔と中京高(岐阜)の鈴木湧也(ゆうや)両内野手。豊田大谷高(愛知)監督時代に夏の甲子園に2度出場した経験ある後藤篤監督(45)の熱い気持ちに打たれて、それぞれ内部進学を辞めて愛知学泉大でのチャレンジの道を選んだ。

■内部進学断り

 あどけなさを残す両新人の顔がその瞬間、きりりと締まる。5部まである愛知大学リーグで下から数えて2番目の4部で低迷する愛知学泉大への進学理由を尋ねられた時だ。

 「内部進学すれば、知った者ばかりでやりやすいだろうが、他大に進めば、いろんな出会いがあると思った。自分たちの4年間で、新しい歴史をつくりたい。後藤監督はウチの大藤先生(前監督)とよく似ていて、熱い人なので」と藤浪。中京大中京高2年には春夏連続で甲子園にレギュラー二塁手で出場し、3年時は名門チームの主将まで務めた。中京大に進むハズが、コース変更した。

 実力校の岐阜・中京高で主将だった鈴木も、剛腕・宮地らチームメートの数多くが系列の中京学院大(岐阜県中津川市)に内部進学するのに、これを断った。同大からは右腕・池ノ内、菊池内野手と2年連続で広島入りし、「プロを目指すならウチに来い。1年から試合で使うから」と口説かれたが、自分の意志を貫いた。

 「ボクも後藤監督の存在が大きかった。高校では全国大会に縁がなかったから、ここで頑張って全国を目指したい」

 高校球界の名門チームから2人の主将経験者が新加入することに、愛知・中京高(現中京大中京高)OBでもある後藤監督は「あり得ないことが現実になった。野球に高い意識を持ってこそ、技術は伸びる。強いチームでリーダーとしてやってきた子が入れば、チーム全体にきっといい影響を与えてくれる」と大歓迎だ。

 豊田大谷高の監督として古木(元横浜)らを育て、4強入りした98年を含めて夏の甲子園に2度出場。富士学苑高(山梨)の監督を経て、愛知学泉大では昨年、コーチから監督に昇格。“同好会”に近かった野球部に、甲子園を目指した熱血型指導者が監督になったために、上級生から退部者が相次いだ。部員は新4年、新3年が各2人しかいなくて、新2年が30人、藤浪ら新1年が39人という珍しい構成になる。4部から1部昇格を目指す道は険しいが、リーダー性を持つ2人の加入はチームの原動力になる。 (阿知波浩二)

■ともに二塁手 しのぎ削る

 愛知・中京大中京高と岐阜・中京高は交流が深く、毎年2度は練習試合をしている。しかも、中学時代は硬式野球のリトルシニアで、藤浪は愛知西、鈴木は尾張東に所属していた。「まさか大学で一緒になるとは」と両選手は声をそろえるが、同じ二塁手でポジション争いをすることになった。藤浪は甲子園の大舞台を踏んだキャリアと堅守、鈴木は高校時代には1番を打ち、俊足が武器。体格は藤浪が166センチ、63キロ、鈴木が165センチ、60キロ。3月中旬からの沖縄・久米島キャンプでは、小兵内野手同士がしのぎを削る。

(2012年2月18日 中日スポーツ9面より)
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