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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.11

点字文庫づくり知って 図書館活動・DVDで紹介 椙山女学園大生が制作

■「現場は明るく前向き」 鶴舞で贈呈式

 千種区の椙山女学園大の学生3人が、市図書館の点字文庫の活動を紹介するDVD「視覚障害者と本をつなぐ〜図書館サービス最前線」を作った。市図書館への贈呈式が10日、昭和区の鶴舞中央図書館であり、学生たちは「点字制作や音訳など、一般に知られていない活動に興味を持ってもらえたら」と話した。(佐々木礼弥)

 大学の映像制作研究ゼミに所属する粟津侑子さん(21)、村田彩実さん(22)、鷲尾知実さん(21)の3人が、卒業研究の一環として制作した。2人が図書館司書の資格取得を目指していて、「点字、音訳図書づくりの現場を記録し広く知らせたい」とテーマに選んだ。

 取材や撮影、ナレーションなどすべて自分たちで手がけた。鶴舞中央図書館の協力を得て2010年9月から撮影を始め、4カ月で撮りためた約2時間半の映像を10分程度にまとめた。

 視覚障害者が点字文庫や録音図書を通じて本と関わることができることを紹介。ボランティアによる音訳図書の収録や、点字の制作風景、鶴舞中央図書館で点字文庫を担当する大塚強さん(54)へのインタビューを収めた。「昔、図書館を利用しようとしたら難しかった。それで、点字文庫を充実させる仕事に就いた」という大塚さんの言葉が印象的だ。

 BGMやナレーションにもこだわった。鷲尾さんは「現場の人たちは明るく前向き。その雰囲気を表現したかった」と振り返る。

 粟津さんは「音訳や点訳が一つ一つボランティアの手作業で作られていることを知ってもらいたい」と話し、村田さんも「大人から子どもまで、誰にでもわかりやすい作品に仕上がった。多くの人がボランティアに興味を持ってくれたら」と話した。

 DVDは市内の21カ所の図書館で貸し出すほか、市図書館のホームページでも公開される。「名古屋市図書館点字文庫」で検索。

(2011年6月11日 中日新聞朝刊市民版より)
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