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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.10

全日本大学野球 愛院大4強ならず

 全日本大学野球選手権第3日は9日、神宮球場と東京ドームで行われ、準々決勝でプロ野球広島を3度の日本一に導いた古葉監督率いる初出場の東京国際大(東京新大学)と、慶大(東京六大学)が勝ってベスト4へ進出した。東京国際大は伊藤が完封して日体大(首都)を1−0で破った。慶大は愛院大(愛知)を4−1で下した。

 2回戦で、九州共立大(福岡六大学)は大瀬良が2安打完封して同大(関西学生)に3−0で勝って8強入り。道都大(札幌)と富士大(北東北)は、ともに延長タイブレークを制して準々決勝に進んだ。

■予想外のスクイズ慶大に屈す エース3連投救援

 マウンドを駆け降り、エース浦野は目の前に転がってきたボールを捕った。本塁へ素早くグラブトス。無駄な動きはなかった。際どいタイミングになったが、判定はセーフ。愛院大は9回にスクイズで重い、重い1点を奪われた。

 1−1の緊迫した展開が続いていた。1死三塁のピンチで、伊藤監督は「1点もやれない」。迷わず3連投になるエースを投入した。大学球界屈指の強打者、伊藤との勝負を避けて四球。次打者への初球だった。浦野は「スクイズを予想していなかったので一歩目が遅れた」と自分を責めた。

 2回に1点を取ったとはいえ、相手のミスでもらったものだった。古川のチーム初安打が出たのは8回。「打てそうで打てない」。ベンチの重苦しい空気をエースも敏感に察知していた。

 絶対に与えたくない点を与えてしまった。気落ちして、さらに致命的な2点三塁打を浴びた。「チェンジアップが思うように落ちなかった。もっとレベルアップしないと」。エースは敗戦の責任を一人で背負ったように目を真っ赤に腫らした。

 2月の練習から「足を絡めた攻撃」を意識し、今大会でも実践できた。2勝したのは大きな収穫。ただ走者が出ないことには機動力を発揮できない。この日はわずか1安打。伊藤監督は「打って勝ちたい」。秋に向けての課題が明確になった。(東郷賢一)

慶大(東京六大学)
001000003―4
愛院大(愛知)
010000000―1
(慶)竹内大−阿加多
(愛)永岡、天池、中根、浦野−古川

(2011年6月10日 中日新聞朝刊27面より)
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