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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.09

全日本大学野球選手権 愛院大13年ぶりの8強

 愛院大(愛知)はシード校の東北福祉大(仙台六)に5−4で逆転勝ちして8強入り。9日の準々決勝では慶大(東京六)と対戦する。

■大迫いきなり逆転殊勲打 ヒーローはなんと公式戦無安打の3年生

 公式戦無安打だった男が大きな仕事をやってのけた。愛院大が2点を追う9回。1点差に迫って、なお1死二、三塁の好機で、代打・大迫建斗三塁手(3年・樟南)が東北福祉大の左腕・相原の直球を強振。鋭い打球が三塁手の頭上を越え、走者2人が生還した。大迫の公式戦初安打が、1998年以来、13年ぶりの8強をたぐり寄せる逆転打となった。

 「打った瞬間、抜けろと思った。ホッとした。最高の結果。これまで打てなかった分も一気に取った感じ」

 ベンチを飛び出して大喜びするナインを横目に、ヒーローは一塁ベース上で控えめにガッツポーズした。リーグ戦では1年春からベンチ入りも、安打は1本もなし。今春は「4番・指名打者」でスタメン出場したこともあったが、6打数無安打と結果は出なかった。

 思い悩んだ時もあったが、今春は同じくリーグ戦で不調だった古屋主将と話し合い、「練習するしかない」と再認識。授業の空き時間もグラウンドに出て、練習を重ねた。また、父親からの電話で知ったヤクルト・畠山の練習法に挑戦。通常の半分の距離から打撃投手に緩い球を投げてもらい、ためをつくる感覚を染み込ませた。

■「これまでの分一気に取った感じ」

 「打ちたい気持ちだけだった。このために頑張ってきたのかな」と大迫。「打ってこい」とシンプルな指示で大迫を送り出した伊藤孝真総監督(52)も「劇的でしたね」と興奮気味に話した。

■慶大と準々決勝

 準々決勝の相手は慶大。愛院大は秋の明治神宮大会で09年に明大、10年に早大と東京六大学連盟の代表校に2年連続で敗れている。「東京六大学にはやられっぱなしなので・・・」と伊藤総監督。2戦連続逆転勝利の勢いに乗って、優勝候補に挑戦する。 (麻生和男)

▽2回戦
愛院大(愛知)
000010103―5
東北福祉大(仙台六大学)
004000000―4

(2011年6月9日 中日スポーツ9面より)
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