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中日新聞掲載の大学記事

2011.06.08

全日本大学野球選手権 愛院大 足で快勝

■4年ぶり2回戦進出

 大学日本一を懸けた大会が開幕し、1回戦計8試合が行われた。愛院大(愛知)は福島県いわき市の東日本国際大(南東北)に4−2で逆転勝ちし、4年ぶりに初戦を突破した。8日の2回戦で東北福祉大(仙台六大学)と対戦する。日大国際関係学部(東海地区)は東京情報大(千葉県)に0−2で敗れ、6年ぶりの2回戦進出はならなかった。広島を3度の日本一に導いた“元プロ”の名将、古葉竹識監督(75)率いる東京国際大(東京新)は龍谷大(関西六)を延長10回タイブレークの末に3−2で下した。

■ゼロ行進40イニングぶりにストップ

 三塁・長田が邪飛をつかんだ瞬間に、愛院大ナインがベンチから飛び出した。9回途中から登板の主戦・浦野が満塁のピンチをしのいで初戦突破。全日本大学野球選手権での2回戦進出は4年ぶり。拳を突き上げる愛院大ナインの歓声が神宮球場に響いた。

 「やっと勝てた。相手は被災地の代表で、開幕試合ということもあって重圧があった。きょうのような戦いができれば自信になる」

 伊藤孝真総監督(52)が言い切った。秋の明治神宮大会を含め、愛院大は全国では出場3大会連続で初戦完封負けを喫していた。この日も3回に先制を許し、嫌なムードがベンチに漂った。

 だが5回。途中出場の2番・上野が1死一、三塁の好機で中前適時打。リーグ戦では打率1割台だった上野の一打で、08年の明治神宮大会・常磐大戦の2回から続いたゼロ行進を40イニングぶりにストップすると、3番・田中も2点適時打で続いて一気に逆転した。

 「(連続完封負けを)意識しないと言ったらウソ。でも点を取る自信はあった」と田中。打力アップは簡単には望めない。相手に重圧をかけ、少ない好機を生かすために、新チーム移行後は盗塁や走塁、判断力を磨いて先の塁を狙う意識を徹底した。今春はリーグ11戦で24盗塁。この日も5回の3盗塁など、計4盗塁を重ねた。

 「全国大会で走るために、リーグ戦でも走ってきた。次につながる」と安井。伊藤総監督も「理想的な戦い方」と胸を張った。

 2回戦で対戦する東北福祉大の主戦・中根はプロ注目の快腕。だが、安井は「こういう時こそ足で攻めたい」と意気込む。愛院大が初戦突破の勢いでさらに加速して、強豪校に挑む。 (麻生和男)

■150キロでピシャリ エース浦野

 2回戦を見据えて温存された愛院大の主戦右腕・浦野が9回1死満塁のピンチで登板。自己最速の150キロをマークして、打者2人を9球で打ち取った。「抑え役の経験もある。あと2死だったので全力で投げた」と浦野。先発登板が予想される8日の東北福祉大戦に向けて、余力を残して試運転を完了した。

▽1回戦
東日本国際大(南東北)
001000001―2
愛院大(愛知)
00003010x―4

(2011年6月8日 中日スポーツ8面より)
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