進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > お知らせ

中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2026.09.08

この記事の関連大学

研究者の夫や妻 就職支援 名大、教職員・企業を提案 椙山と連携 「家族で中部に」

育児と研究の両立について話す名古屋大の川口由紀教授

育児と研究の両立について話す名古屋大の川口由紀教授

 名古屋大(名古屋市千種区)は椙山女学園大(同)と連携し、研究者の夫や妻の就職を支援する「パートナー帯同プログラム」を始めた。配偶者とともに中部圏に赴任できる環境を整え、優秀な人材を呼び込み、定着してもらう。名大によると、他大学と研究者のパートナーのキャリアを支援する制度は全国で初めて。(梶山佑)

 名大の研究職に内定した人の妻や夫には、名大や連携する大学、企業の採用情報を伝える。研究職だけでなく、大学職員や付属小中学校の教諭、一般の社員などを提案する。キャリアコンサルタントによる相談や、エントリーシートの添削もする。ポストの確約やあっせんはしない。椙山側の配偶者に対しても同様に就職をサポートする。

 研究者の配偶者の分までポストを用意する「帯同」支援策は米国などにあり、名大も2018年に同様の制度を導入したが、2人とも「卓越した研究者」であることなどの条件が厳しく、活用例はなかった。

 男女共同参画担当の永田雅子副学長は「この地域に家族ごと来て、安心して研究で活躍してほしい。中部圏全体の人材確保にもつなげたい」と語り、参加企業を募っている。

 また、名大は今月、研究職の応募者向けにサイトを開設した。中部圏で生活するイメージを持ってもらうため、名大に所属する研究者の家族の声を紹介。千種区は「落ち着いた住環境」といった生活情報や「トワイライトスクール」など名古屋独自の子育て情報を提供する。

■岐阜から新幹線 夫は京都へ 名大の川口教授 育児と両立苦心

 大学や研究機関が集中する関東・関西圏に比べて、中部圏には、単身赴任や新幹線通勤をする研究者が珍しくない。

 名古屋大教授の川口由紀さん(48)は、夫が京都大の研究者。JR岐阜羽島駅近くに住み、毎朝、中学1年の長女(13)と小学2年の長男(8)を見送った後、新幹線でそれぞれの職場へ向かう。

 川口さんは、磁気や量子に関わるさまざまな物理現象を研究する。夫の専門分野も近く、同じ大学内で希望する研究職のポストが二つ公募されることはまずない。「呼んでくれるならどこへでも行きます、と考えていないと研究職は見つからない」と話す。

 研究者は全国の大学を移りながらキャリアアップすることが多いが、ポストは限られる。さらに女性研究者の夫のほとんどは仕事に就いており、相手も研究者という割合が高い。

 既婚の女性研究者の約半数が、別居を経験しているという調査もある。川口さんは、新潟県内から東京都内に通勤したことや、単身で子育てしながら研究した時期もある。「男女とも、育児と研究が両立できるような制度になってほしい」と期待する。

(2026年9月8日 中日新聞朝刊1面より)
  • X

戻る < 一覧に戻る