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学生活動  2025.10.05

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陸上養殖 エビ サーモンで学食メニュー開発 南山大生が企業と連携

陸上養殖の「うるみえび」と「知多クールサーモン」を使った学食メニュー候補を試食する学生ら=いずれも名古屋市昭和区の南山大で

陸上養殖の「うるみえび」と「知多クールサーモン」を使った学食メニュー候補を試食する学生ら=いずれも名古屋市昭和区の南山大で

■パスタなど試作 持続可能な食料生産 探る試み

 南山大(名古屋市昭和区)の学生らが企業と連携し、陸上養殖の水産物を使う学食メニューの開発に取り組んでいる。先端技術で作られた食材を入り口として、持続可能な食料生産のあり方や世界の食料危機への理解を深めようとする試みだ。 (日暮大輔)

 使う食材は東邦ガス(熱田区)の「知多クールサーモン」とNiterra AQUA(小牧市)の「うるみえび」。いずれも国内の陸上の水槽で養殖し、生産量や品質が安定している。

 総合政策学部の太田和彦准教授(40)=食農倫理学=のゼミ生11人が、学食を運営するスイーツマジック(昭和区)の料理人らとメニューを練っている。9月下旬には試食会が開かれ、パスタや茶漬け、手巻きずしなど5種が並んだ。学生からは「パスタはエビの食感がいい」「茶漬けはサーモンの味がダイレクトに感じられる」といった意見が出た。

 10月初旬に3種にしぼったメニューが完成し、下旬から約1カ月販売する。1食あたり20円を開発途上国の学校給食へ寄付する仕組みを導入し、食べることが社会貢献になる。学生らは販売促進用のほか、陸上養殖や寄付について啓発するポスターの案も考える。

 購入して食べた人にアンケートし、メニューへの満足度に加え、陸上養殖の食材へのイメージ、寄付に関する考えを調べる。ゼミ長の横山茜さん(21)は「学生の購買意欲を知ることができる。寄付が理由という人もいるかも。自分は値段で決めるので、違った視点を知ることは社会人になっても生かせると思う」と話した。

 調査結果はゼミ生や太田准教授が論文にまとめ、来年6月ごろに大学の論文集で発表する。

(2025年10月5日 中日新聞朝刊県内版より)
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