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中日新聞掲載の大学記事

2010.10.26

愛知大学野球 愛院大が春秋連覇

■名商大 最終戦敗れV逸

 愛知大学野球秋季リーグ(中日新聞社後援)最終週第3日は25日、名古屋市の瑞穂球場で1部の3回戦1試合を行い、名商大が2−5で愛大に敗れて勝ち点3にとどまり、同4の愛院大の2季連続41度目の優勝が決まった。

 勝てば優勝だった名商大は2度リードを奪ったが、エース水野ら投手陣が踏ん張れず6回に逆転を許した。終盤は打線が沈黙し、反撃できなかった。

 全日程を終了し、最優秀防御率賞は愛大の伊佐地佑紀投手が1.16で初受賞。打撃賞(首位打者)は名城大の牧内樹(たつき)内野手が打率4割2分5厘で初めて手にした。

 愛院大と2位名商大は明治神宮大会の出場権を懸けた愛知・東海・北陸3連盟王座決定戦(31日から3日間)に進出する。

 愛大と中部大は勝ち点2の7勝8敗で並んだため、27日に順位決定戦を行う。勝った方が4位で1部残留。負けて5位となったチームと日福大(2部2位)、6位愛工大と中京大(2部1位)の入れ替え戦は11月6日から行われる。

■26勝エース 逃げ切れず

 フルカウントからの7球目だった。直球は心地よい音を立て、外角低めに構えた捕手のミットに吸い込まれた。名商大が1点リードの6回2死満塁。厳しいコースだったが、無情にも球審の右手は上がらなかった。押し出し。エース水野だけではなく、野手もその場でがっくりとひざを突いた。

 中村監督は6回のピンチで連投の上野をあきらめた。チームの屋台骨を支えてきた水野を投入し、逃げ切りを図った。エースが継投の意味を一番理解していた。「でも手元が狂った。ひざを突いたのは判定への不満ではなく、自分が失敗したから」

 ショックを引きずったまま次打者と対峙(たいじ)。追い込んだが勝負球のスライダーが甘くなり、2点を追う展開になってしまった。「みんなに申し訳ない」。現役最多の26勝を誇る右腕は真っ赤に目を腫らした。

 就任12年目の中村監督は初優勝の好機を逸した。「選手はよく頑張ってくれた。負けたのは監督の責任」。敗戦のときに必ず口にする言葉でナインをかばった。 (東郷賢一)

■「優勝は想定外」

 名商大の試合をネット裏で見つめていた愛院大の伊藤監督は「優勝は想定外」と驚きを隠さなかった。コーチの暴力や元部長の使途不明金の問題などで揺れ動き、監督に就任したのは8月。「春も勝っているのでプレッシャーがあった。正直ほっとしている」。時間の経過とともに安堵(あんど)感が漂った。

 主力選手は授業のため、ほとんど球場に姿を見せなかった。永嶋主将は「実感はないが投手陣が踏ん張り、打線は日替わりでヒーローが出た」とコメントした。

◇瑞穂(愛大2勝1敗)
愛大  010003100―5
名商大 100010000―2

◇2部(25日・瑞穂)
東海学園大 000030012―6
愛産大   000100000―1
(東)田島−生田
(愛)岡田、長安、米田−岸端

愛知大学野球秋季リーグ勝敗表(全日程終了)
       勝分負点  勝 率 院商城愛中工
(1)愛院大 9064 .600 ●12222
(2)名商大 7063 .538 2●0122
(3)名城大 7062 .538 12●112
(4)愛 大 7182 .467 122●11
(4)中部大 7082 .467 1122●1
(6)愛工大 5182 .385 10022●
【注】順位の(4)以外は決定。点は勝ち点

(2010年10月26日 中日新聞朝刊29面より)
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