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中日新聞掲載の大学記事

2010.09.16

学泉大強くします 豊田大谷高元監督 後藤篤氏 来春監督就任へ

■愛知大学野球4部リーグのチーム再建へ甲子園2度出場の実力派が挑む

 愛知・豊田大谷高監督時代に夏の甲子園に2度出場したことがある後藤篤氏(44)が愛知大学野球4部リーグの愛知学泉大(豊田市)の監督に来春就任する。この秋はコーチとして、作戦面を任され、事実上のさい配を振るっている。今年3月までは山梨・富士学苑高の監督を7年間務めて、関東大会に春秋合わせて4度出場させるなど手腕は優れている。大学チームの指導は今回が初経験だが、新たなエネルギーで愛知学泉大の上位リーグ進出に力を注ぐことになった。

 懐かしい顔が愛知のアマ球界に戻ってきた。豊田大谷高の監督時代には古木(元横浜)らを育て、4強入りした1998年を含めて夏の甲子園に2度出場。その後、富士学苑高監督として関東の高校球界に身を置いていた後藤氏が愛知学泉大のユニホームを着た。春にコーチ就任し、この秋の愛知大学野球4部リーグでは作戦担当を務めている。来春には監督に就くことが内定している。

 「あわててやっても、チームはすぐに強くなるわけではないから、選手の力を引き出しながら、少しずつ前に進みたい」。後藤次期監督は控えめに話すが、高校球界では熱血型の指導者だったから、その熱い気持ちは変わっていない。

 「ずっと高校野球にいたから、大学生を教えるのは新鮮。最近は4部リーグ暮らしだから、このクラスで『楽しくやりたい』という学生もいるし、3部、さらに2部と上位リーグで頑張りたい子もいる。よく話し合ってやっていきたい」

 愛知学泉大は前身が女子大だったことから、そのイメージがまだ強い。そこで硬式野球部を強化することで、元気な男子学生に大学を先導してもらおうという狙いから、後藤氏に次期監督の白羽の矢が立った。現在は豊田学舎入試広報室に勤務。弟・孝志さんは元巨人外野手で、後藤兄弟は地元では有名だった。高校野球監督時代の人脈もいかし、選手獲得にも奔走している。

 一方、選手たちはどう受け止めているのか。「甲子園監督だった方だから、野球はもちろん詳しい。ボクら、これまで野球の細かいところを教えてもらってなかったからうれしくって…。たとえば2死からのディレードスチールとか。もっと早く出会いたかった野球人です」とは冬柴主将(3年・安城学園)。高校野球でいくら実績があっても、監督だけが先走れば、選手はついては来ない。4部リーグのチーム指導は難しいが、現時点では選手の心をつかみかけている。 (阿知波浩二)

■後藤篤(ごとう・あつし)
1966(昭和41)年6月8日、愛知県一宮市生まれの44歳。中京高(現愛知・中京大中京)−亜大出身。現役時代は内野手で、高校2年夏に甲子園出場。89年4月に豊田大谷高の初代監督に就き、97、98年に夏の甲子園2年連続出場。2001年夏を最後に退任し、03年4月から今年3月まで富士学苑高監督だった。

(2010年9月16日 中日スポーツ11面より)
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