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学生活動  2023.02.16

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環境に配慮 金城大生の企画実現 マイ傘袋 ぜひ使って

マイ傘袋「U-Bag」を商品化し、店頭で笑顔を見せる金城学院大の3人=名古屋市守山区の同大生協ショップで

マイ傘袋「U-Bag」を商品化し、店頭で笑顔を見せる金城学院大の3人=名古屋市守山区の同大生協ショップで

 雨天の際に使い捨てにされるポリエチレン製傘袋を減らそうと、金城学院大(名古屋市守山区)の学生たちがデザインから製造発注まで手がけたマイ傘袋「U-Bag」が商品化され、同大の生協で販売されている。(大森雅弥)

 商品化にこぎつけたのは人間科学部3年の田中雅(みやび)さん(21)、近藤結菜(ゆな)さん(21)、福岡七海(ななみ)さん(21)。社会課題の解決案を考え、具現化を目指す橋川健祐准教授の講義を受講している。同じ講義で一昨年このプロジェクトを始め、インターネット上で資金集めを実行した4年の谷沢(たにざわ)涼香さん(22)と西塚絢音(あやね)さん(22)に共感して活動を引き継いだ。

 3人が担当したのは、傘袋のデザインや製造の発注、価格決定など。重視したのは先輩や自分たちが思い描いた理想だった。その表れがブランド名。英語の「own(自分自身の)」をもじって「oung(オウン)」。いろんなことに自分ごととして責任を持つという意味を込めた。

 製品へのこだわりの1つは、女子学生が持ちたいと思える製品であること。長傘、折り畳み傘のどちらにも使える仕様にした。袋の内側には吸水、外側は撥水(はっすい)と2つの素材を使用してぬれにくい。色もネービー、ベージュ、グレーと3種類。一部は袋の肩にある結束用のバンドをレースにした。

 もう1つは、製品作りの過程でコストだけではなく、社会的な視点を重視したこと。協力企業との打ち合わせでは、価格を下げるために中国に生産を発注することも検討されたが、3人はあえて国内の福祉作業所に発注する道を選んだ。また、傘にはICタグを付けた。企業などが建物入り口に設置した端末にかざすとポイントがたまり、そのポイントで環境や福祉関係の団体に寄付できる。

 こだわりの結果、価格は最安の既製品の倍ぐらいになったが、「高いことで逆に長く大切に使ってもらえるのでは」と言う。

 「U-Bag」は学生価格1490円、一般価格2980円。同大の生協ショップで販売している。他大学の学生でも学生証を見せれば学生価格で販売する。

(2023年2月16日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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