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お知らせ  2022.08.22

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100年前 貞明皇后の映像見て 皇学館大で発見、今月まで公開

発見されたベータ方式のカセットを眺める長谷川助教=伊勢市神田久志本町の皇学館大で

発見されたベータ方式のカセットを眺める長谷川助教=伊勢市神田久志本町の皇学館大で

■伊勢訪問時 女学生歓迎の様子など

 大正天皇の妻・貞明皇后が、100年前に伊勢市の神宮皇学館(現・皇学館大)を訪れた際の映像が同大で見つかった。皇太子時代の昭和天皇が伏見桃山陵を訪問する映像もあり、発見した同大の長谷川怜助教(35)は「当時はフィルム映像を撮る機器は一般に浸透しておらず貴重な映像」と話す。8月末まで、同大の「佐川記念神道博物館」で公開されている。(高橋信)

 見つかった映像は、1922年11月上旬、大正天皇の健康回復を祈願するため、伊勢神宮を訪れた貞明皇后が、神宮皇学館にも立ち寄り、学生が勉学に励む姿などを見学した際のもの。市内の女学生が歓迎する様子などが収められている。同じカセットには別に撮られた昭和天皇の姿も収められていた。

 同博物館の学芸員が、昨年夏ごろ、館内で数本のベータ方式のカセットビデオを発見。大学史の担当をしていた長谷川助教の元に届いたが、再生機器がなかったため、外部の業者に映像のデジタル化を依頼し、貴重なものだと判明した。

 どのような経緯で撮影されたものなのかは、はっきりしないというが、長谷川助教は「家庭用フィルムの普及前の映像。さらにベータに移植していなかったら劣化で見られなかったであろう映像」とし、「出迎える人の動きや今では失われている当時の伊勢の景観を見ることができる」と見どころを語る。

 映像は、今月31日まで、同博物館で開かれている同大創立140周年、再興60周年記念の企画展で公開されている。入館無料。

(2022年8月22日 中日新聞朝刊三重総合版より)

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