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学生活動  2022.07.01

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終末期医療 学生が追う 椙山大ゼミ がんで夫亡くしたカメラマン取材

ドキュメンタリー作品を編集する学生=千種区星が丘元町の椙山女学園大で

ドキュメンタリー作品を編集する学生=千種区星が丘元町の椙山女学園大で

 がん患者の男性が亡くなる直前に撮影された写真。おしゃれをして愛用のサーフボードとともに笑顔で写る1枚を切り口に、男性の闘病の様子や家族の思い、終末期医療について追ったドキュメンタリー作品「最期の写真」を、椙山女学園大(千種区)の学生が制作した。1日から動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。(斉藤和音)

 制作したのは、同大文化情報学部の栃窪優二教授(67)のゼミに所属する3年生12人。直腸がんのため昨年12月に46歳で亡くなった末広貴志さんの妻で、カメラマンの佑美さん(37)=中村区=へのインタビューや家族写真を紹介しながら、がんと向き合う患者と家族の思い、終末期医療の現状について描いた。

 作品は、同大看護学部の提案を受けて2カ月かけて制作。学生たちは撮影や編集、ナレーションなどに分担して取り組み、6月21日に20分の映像が完成した。看護学部の学生もインタビューの聞き手を担った。

 ナレーションは3人の学生が担当。高根まどかさん(21)は、自宅で泣きながら練習したことを明かし「感情的にならないよう、でも丁寧に読もうと必死でした」と話した。ディレクターと聞き手も務めた江坂仁美さん(20)は「半年前に夫を亡くしたばかりの状況で、私たちに思いを伝えてくれた。貴重な経験をさせていただいた」と感謝した。

 ディレクターを務めた橋爪亜美さん(20)は「一瞬一瞬を大切に生きようと思った」と振り返り、江口奈穂さん(20)は「作品を通して、大切な人と顔を合わせて過ごす時間は当たり前じゃないと実感した」とも。

 学生たちに思いを語った佑美さんは「主人の生きた証しを残したい」との思いで作品への出演を快諾したという。写真館に勤務している佑美さんにとって、写真を撮ることは「家族の今を残すこと」だという。「今回、映像という形で私たち家族の記録や思いを伝えることができて良かった」と話した。

 栃窪教授は「佑美さんの思いを素直に表現した作品になっている」と評する。作品は看護学部の教材としても活用する。

(2022年7月1日 中日新聞朝刊市民版より)

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