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お知らせ  2025.07.26

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丸八(坂井市)ロケットタンク開発へ 東大、金沢工大と連携

事業を説明する菅原社長(左)ら=25日午後、坂井市の丸八本社で

事業を説明する菅原社長(左)ら=25日午後、坂井市の丸八本社で

■JAXA採択

 繊維製品の製造販売を手がける「丸八」(坂井市)は25日、東京大(東京)や金沢工業大(金沢市)と産学連携し、極低温に耐える熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使ったロケット燃料タンクの開発を目指すと発表した。5年間を目標に、基盤技術を確立する。この取り組みは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業に採択された。(新河戸美早)

■炭素繊維の技術を駆使

 宇宙産業ではロケットの打ち上げコスト低減が課題となっている。丸八ではロケット燃料(液体水素)の極低温に耐えるタンクをCFRPで製造することで、従来のアルミ合金製よりも軽量・低コスト化を実現し、国内宇宙輸送ビジネスの国際競争力向上に貢献することを目指す。

 2027年度をめどに、長さ1.5メートル、直径0.5メートルの小型タンクを試作し、液体水素の漏えいがないか確認する。その上で、29年度には長さ2.5メートル、直径2.0メートルのさらに大きなタンクを造り、大型のタンクを製造する技術を構築していく。実際にロケットで使用するタンクは、長さ7.9メートル、直径5.2メートル。

 開発に向けては、丸八が材料の提供と成形、東京大が設計、金沢工大が品質検査や評価を担う。

 坂井市の丸八本社で菅原寿秀社長らが会見。「これまで培ってきた技術を生かし、福井から日本の宇宙産業の発展や地域の新たな産業創出に貢献できるよう、全社を挙げて取り組む」と意気込んだ。

 事業採択は、内閣府や文部科学省などが連携し、JAXAに設置した基金を活用して、宇宙開発に関した研究を行う民間企業や大学を支援するもの。全国で20以上の事業が選ばれており、県内では初めて。

(2025年7月26日 日刊県民福井朝刊1面より)
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