HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て
2010.06.02
仏の塔壁画筆入れ 名古屋芸大名誉教授高橋さん『無心で描く』
【オータン(フランス中部)=清水俊郎】当地にある12世紀の塔の内部に中世と同じフレスコ画の手法で壁画を描く準備を進めてきた名古屋芸術大名誉教授で画家の高橋久雄さん(73)が1日、筆入れ式をした。
絵の研究で渡仏してから40年余。塔を取得してから13年。仏政府から歴史的建造物に手を入れる認可を得てからもさらに2年の準備期間を設けた高橋さんは「中世の人たちが神や聖人を描いたように、私も無心で壁画を描いていきたい」と抱負を述べた。
高橋さんはフランスの壁画修復の第一人者だが、歴史的建造物に自分の壁画を制作するのは初。高さ30メートル、直径10メートルの塔の内部に足場を組み、初めに朱色と黄土色、緑色、焦げ茶色を使って、かつてオータンなどを治めたブルゴーニュ公国の君主の紋章から描き始めた。同公国の歴史を延べ約200平方メートルの大きさで描くため、完成までに数年かかる。
名芸大から応援に駆けつけた白井久義教授(56)と元研修生の鈴木利穂さん(35)が助手を務めた。白井教授は「高橋先生の長年の夢に参加できて光栄」と喜んでいた。
(2010年6月2日 中日新聞朝刊県内版より)
絵の研究で渡仏してから40年余。塔を取得してから13年。仏政府から歴史的建造物に手を入れる認可を得てからもさらに2年の準備期間を設けた高橋さんは「中世の人たちが神や聖人を描いたように、私も無心で壁画を描いていきたい」と抱負を述べた。
高橋さんはフランスの壁画修復の第一人者だが、歴史的建造物に自分の壁画を制作するのは初。高さ30メートル、直径10メートルの塔の内部に足場を組み、初めに朱色と黄土色、緑色、焦げ茶色を使って、かつてオータンなどを治めたブルゴーニュ公国の君主の紋章から描き始めた。同公国の歴史を延べ約200平方メートルの大きさで描くため、完成までに数年かかる。
名芸大から応援に駆けつけた白井久義教授(56)と元研修生の鈴木利穂さん(35)が助手を務めた。白井教授は「高橋先生の長年の夢に参加できて光栄」と喜んでいた。
(2010年6月2日 中日新聞朝刊県内版より)