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中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2020.11.11

環境優しい新材料 期待 名大 高分子の精密合成法を開発

 プラスチックやゴムの材料として広く使われている「ビニルポリマー」と呼ばれる高分子の精密な合成に、名古屋大の上垣外(かみがいと)正己教授(高分子化学)や佐藤浩太郎客員教授らのチームが成功した。環境に優しい新材料の開発にもつながる基礎研究の成果で、米化学会誌に掲載された。 (芦原千晶)

 ビニルポリマーは、「ビニルモノマー」と呼ばれる小さな分子がつながったもので、レジ袋のポリエチレンやプラスチック容器のポリスチレン、粘着剤のゴムの材料もその仲間。構成するビニルモノマーは多種多様で、これまでもランダムにつなげることはできたが、好きな順番で好きな種類のものを効率良く、長くつなげる方法がないのが課題だった。

 チームは、特殊な触媒を使って、5種類のビニルモノマーを一つずつつないだユニットを作成。このユニットをつなげて環状にした後、切れ込みを入れてさらにつなぎ、思い通りの順番で10、20、30個…と連なったビニルポリマーを作ることに成功した。

 上垣外教授は「この方法を使って、プラスチックやゴムの性質などを併せ持ち、リサイクルできたり長く使えたりする新しい材料を生み出せるかもしれない」と話した。

(2020年11月11日 中日新聞夕刊6面より)

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