進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > お知らせ

中日新聞掲載の大学記事

お知らせ  2020.08.28

この記事の関連大学

藤田医大 PCR1日1500件 大学の検査数では突出 来年1月 自動化で大幅増

 新型コロナウイルスのPCR検査を愛知県から受託している藤田医科大(愛知県豊明市)は、新たに機器を導入するなどして分析の自動化を図り、検査能力を大幅に増加させることを決めた。体制が整う来年1月以降は1日あたり最大1500百件の検査が可能になるという。都道府県などの検査を大学が受託する取り組みは各地で始まっているが、同大の検査件数は全国有数の規模になる。(白名正和)

 愛知県は1日あたりの検査能力を今後倍増させ、3000件に引き上げる方針を示しており、増加分を藤田医科大が担うことになる。病院の診療機能に影響を及ぼさないよう、大学の人的資源や研究機器を活用して検査する考えだ。

 藤田医科大は愛知県が「あいち健康の森健康科学総合センター」(同県東浦町)に20日に開設したドライブスルー式検体採取所の検査を受託しており、現在は1日最大90件実施している。さらに県が名古屋港ガーデンふ頭(名古屋市港区)にも採取所を開設する方針を固めたことを受け、両施設で集まる多くの検体を担当するため、自動化による検査能力の向上が必要と判断した。

 自動化は「自動分注機」「全自動核酸抽出装置」という2種類の機器を新たに導入することで実現させる。検体を測り取ったり、試薬と混ぜ合わせたりする作業は人の手で行っているが、これらの作業が不要になるという。2種の機器がそろう11月までは、大学の研究用として使っていた「リアルタイムPCR分析装置」を活用するなどして、1日最大360件にまで増やして対応する。

 専任の検査技師が公募で集まるまでは、大学側からの呼び掛けに応じた研究者ら約10人が当番制で検査を担当する。

 その1人で、普段は学生の講義などにあたる医療検査学科の東本祐紀助教(35)は「これまで学んだことを社会に還元できればと思い、参加した」と話していた。

 PCR検査を巡っては、文部科学省と厚生労働省が6月、大学の研究用機器を活用するよう、全国の大学に通知している。文科省によると8月12日現在、大学病院を除いた全国22大学・27部局がPCR検査を実施し、可能件数は1日2842件となっている。

 文科省の担当者は「この数字は、すでに検査体制が構築された数字」と話しており、藤田医科大の1500件は含まれていないとみられる。各大学の検査可能件数は公表していないが「いずれも研究用の機材を使うため、1大学あたりの件数は多くならない。数百ぐらいは可能かもしれないが、それ以上の数字はあまり聞かない」(担当者)という。

 1大学として異例とも言える規模の検査件数を担うことについて、同大付属病院長を務める湯沢由紀夫・藤田医科大統括副学長は「病院だけでなく、大学全体で(新型コロナへの対応に)貢献していきたい」と説明している。

(2020年8月28日 中日新聞朝刊市民版より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ

各種お問い合わせ この大学のHPを見る