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お知らせ 2025.05.29
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藤田医科大 学費30%下げ 来春から 医学部 6年2152万円

学費の値下げを決めた藤田医科大のキャンパス=28日、愛知県豊明市で
■私大で4番目に安く
28日の理事会で決定した。同大によると、今回の値下げにより全国に31ある私立大の医学部の中で国際医療福祉大(千葉県成田市)、順天堂大(東京都文京区)、関西医科大(大阪府枚方市)に次ぐ4番目に安い学費となる見通し。これまでは12番目だった。値下げ幅は828万円。17年度にも約640万円引き下げ、志願者数が増えたという。
藤田医科大は統合失調症やうつ病といった精神・神経疾患のほか、再生医療や感染症、救急分野などに強みがある。国内最大規模の病床数を有する大学病院に加え、三つの付属病院の経営状況も良好なことから、このタイミングでの値下げに踏み切ったとみられる。
同大は、24年度に基礎研究の成果を実用化につなげる手助けをする文部科学省の「橋渡し研究支援機関」に認定されたほか、精神・神経疾患の治療法や薬の開発で「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」の支援校にも採択された。今回の学費値下げを優秀な人材確保につなげ、研究大学としての飛躍も図りたい考えだ。
岩田仲生学長は「地域のトップ層の学生が進学しやすい環境を整える。今後、さらに臨床や研究力の強化を図っていくために、将来の医療を担う優秀な人材を集め、大学のブランド力を高めていきたい」と話している。
■志願者増え難化予想
医系専門予備校「メディカルラボ」名古屋校(名古屋市)によると、私立大医学部の6年間の学費は1800万~4500万円超で、国立大の約350万円と大きな差がある。担当者は「私立大医学部の学費は、受験生と保護者にとって志望校の決め手の一つ」と話し、値下げの影響について「これまで受験生が増え、難易度が上がった大学がある」と説明する。
2008年度に約900万円の値下げをして学費を2080万円とした順天堂大について「いまや慶応大医学部などと並び、四天王と呼ばれる難関医大になった」という。関西医科大も23年度に670万円引き下げた結果、志願者数が増加した。学費が安いほど難易度が高い傾向があるという。
藤田医科大は近年、独自の総合型選抜や奨学金制度を整えて人気が高まり、この春の入試では、全国31の私立大医学部の中で難易度は10位以内だった。担当者は「学費を下げれば、さらに難化することが予想される」と語った。
(2025年5月29日 中日新聞朝刊1面より)