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学生×ものづくり 大同大と安城の企業 グッズ開発
■学びの達成感/新商品のヒント お互いメリット
大同大(名古屋市南区)情報学部情報デザイン学科の学生らが愛知県安城市の企業と連携し、大学のPRグッズを開発した。デザインと実用性の両立に悩みながら「生活の役に立つ物を」と、ブックストッパーと傘ストッパーを製作。学生らは今後も新製品の開発に取り組む予定で、企業側はデザインを変更した市販品の商品化につなげたい考えだ。 (四方さつき)
昨年5月、安城商工会議所の異業種連携協同組合「アンジョウハーツ」が、名古屋産業振興公社の仲介で、大同大情報学部の岡田心准教授(44)に商品開発の協力を依頼。岡田准教授が学内に開発への参加を呼び掛けたところ、学生約30人が集まった。素材は、学内で回収したペットボトルキャップのリサイクル材。数グループに分かれ、プレゼンテーションや試作を重ね、2つの製品化が決まった。
大学のマスコット「だいゾウ」をモチーフにしたブックストッパーは、ゾウの耳が教科書の左右のページを押さえるデザイン。考案者の1人、2年生の松井花恋さん(19)は「だいゾウの形をどう生かすか。イメージ図をたくさん描いた」と振り返る。
傘ストッパー「umbllalla(アンブララ)」は3年生の左右田(そうだ)萌夏さん(20)らのアイデアだ。授業中に机に立て掛けた傘が倒れて困っている学生が多いことに着目した。机に置いたリンゴ形のリサイクル材のプレートに傘の持ち手の先端を引っ掛け、滑らないようにする仕様になっている。プレートはバンドで持ち手とつなげるため、左右田さんは「見分けにくいビニール傘の目印にもなる」とアピールする。
製品の金型設計は安城市の金型製作会社の社員荒川さくらさん(21)が手掛けた。日ごろは自動車メーカーなどからの依頼が仕事の中心だが「同年代の子たちのアイデアを基に作り上げるのは、これまでにないほど楽しかった」と話す。
2月以降は新型コロナウイルス感染症の影響で、集まって話し合うことはできなかった。学生たちは通信アプリ「LINE(ライン)」で設計図やアドバイスを送り合い、完成にこぎ着けた。
2つの製品は大学に資料請求した高校生らに配布している。岡田准教授は「学生の深い学びにつながり、達成感のある取り組みだった」と評価。
名古屋産業振興公社の新産業創出支援コーディネーター田辺秀紀さん(66)は「コロナ禍で疲弊するものづくり業界に、刺激を与える存在に育ってほしい」と期待を寄せた。
(2020年6月16日 中日新聞夕刊7面より)
大同大(名古屋市南区)情報学部情報デザイン学科の学生らが愛知県安城市の企業と連携し、大学のPRグッズを開発した。デザインと実用性の両立に悩みながら「生活の役に立つ物を」と、ブックストッパーと傘ストッパーを製作。学生らは今後も新製品の開発に取り組む予定で、企業側はデザインを変更した市販品の商品化につなげたい考えだ。 (四方さつき)
昨年5月、安城商工会議所の異業種連携協同組合「アンジョウハーツ」が、名古屋産業振興公社の仲介で、大同大情報学部の岡田心准教授(44)に商品開発の協力を依頼。岡田准教授が学内に開発への参加を呼び掛けたところ、学生約30人が集まった。素材は、学内で回収したペットボトルキャップのリサイクル材。数グループに分かれ、プレゼンテーションや試作を重ね、2つの製品化が決まった。
大学のマスコット「だいゾウ」をモチーフにしたブックストッパーは、ゾウの耳が教科書の左右のページを押さえるデザイン。考案者の1人、2年生の松井花恋さん(19)は「だいゾウの形をどう生かすか。イメージ図をたくさん描いた」と振り返る。
傘ストッパー「umbllalla(アンブララ)」は3年生の左右田(そうだ)萌夏さん(20)らのアイデアだ。授業中に机に立て掛けた傘が倒れて困っている学生が多いことに着目した。机に置いたリンゴ形のリサイクル材のプレートに傘の持ち手の先端を引っ掛け、滑らないようにする仕様になっている。プレートはバンドで持ち手とつなげるため、左右田さんは「見分けにくいビニール傘の目印にもなる」とアピールする。
製品の金型設計は安城市の金型製作会社の社員荒川さくらさん(21)が手掛けた。日ごろは自動車メーカーなどからの依頼が仕事の中心だが「同年代の子たちのアイデアを基に作り上げるのは、これまでにないほど楽しかった」と話す。
2月以降は新型コロナウイルス感染症の影響で、集まって話し合うことはできなかった。学生たちは通信アプリ「LINE(ライン)」で設計図やアドバイスを送り合い、完成にこぎ着けた。
2つの製品は大学に資料請求した高校生らに配布している。岡田准教授は「学生の深い学びにつながり、達成感のある取り組みだった」と評価。
名古屋産業振興公社の新産業創出支援コーディネーター田辺秀紀さん(66)は「コロナ禍で疲弊するものづくり業界に、刺激を与える存在に育ってほしい」と期待を寄せた。
(2020年6月16日 中日新聞夕刊7面より)