「栄養」「人体」「食物」3つの領域に関わる専門的な学びとポピュレーションアプローチを通して管理栄養士としての資質を磨きます。ポピュレーションアプローチとは、病気にかかるリスクがまだ高くない集団に対して、食生活などの生活習慣の改善を働きかけ、集団全体として病気を予防することをいいます。例えば、学校給食の場で子どもたちに食べることの大切さや栄養の知識を伝えることも、そのひとつ。食に関わるあらゆる場がポピュレーションアプローチを展開していく場となります。

専門基礎分野で土台をつくり、専門分野へと学びを深めます。

【専門基礎分野】

●社会･環境と健康
私たちの健康に、生活習慣や社会環境・地球環境がどのような影響を与えているのかを理解し、疾病の予防や健康の増進を促進する社会や環境のあり方を考えます。

●人体の構造と機能および疾病の成り立ち
生化学実験や解剖生理学実験などを通して、人体の構造や機能を検証。さらに、身体の各臓器に発生する疾病を取り上げ、その発生から進行、治療までの流れを学びます。

●食べ物と健康
食品の栄養成分が健康に与える影響を理解し、各食品の特性を学びます。さらに、調理・加工に取り組み、食品衛生や食品添加物を通して食の安全性についても理解します。

【専門分野】

●基礎栄養学
私たちは食事から栄養素を摂取しています。その栄養は生体内で消化・吸収され、その後、体の中で使われ、やがて排出されていきます。その一連の仕組みを学びます。

●応用栄養学
年齢や身体状況によって異なる栄養管理について理解します。栄養管理をするために必要な身体機能検査などの方法、栄養状態の評価・判定方法、栄養管理の理論も学びます。

●栄養教育論
個人や集団に行う栄養・食教育について学びます。それぞれの学習者に適した教材づくりの方法を学び、教育の現場で必要とされるコミュニケーション能力も身につけます。

●臨床栄養学
傷病者の回復を栄養面から支えるための科学的な理論を理解します。チーム医療における栄養管理の手法として、疾病別の献立計画や医療情報の扱い方などを学びます。

●公衆栄養学
地域住民の健康増進を適切にサポートする能力を身につけます。地域や職場における健康・栄養問題を考察し、それを取り巻く社会的・文化的な要因を分析・判断します。

●給食経営管理論
給食利用者の栄養・食事管理を多方面からマネジメントする能力を身につけます。食品の流通、衛生管理、各種業務の効率化など、給食経営の基本的な考え方も学びます。