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お知らせ  2019.01.22

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中南米文学 魅力語る 作家・星野さんと名外大教授

中南米の文学の魅力を語る星野さん(右)と野谷さん=日進市の名古屋外国語大で

中南米の文学の魅力を語る星野さん(右)と野谷さん=日進市の名古屋外国語大で

 小説家の星野智幸さんが21日、日進市の名古屋外国語大を訪れ、世界教養学科教授の野谷(のや)文昭さんと中南米の文学の魅力を語った。

 星野さんは、映画化もされた小説「俺俺」などで知られ、昨年刊行した「焔(ほのお)」が谷崎賞を受賞。ラテンアメリカ作家の翻訳で著名な野谷さんに自主ゼミなどで学んだ縁があり、一般公開された野谷さんの退官記念の最終講義にゲスト参加した。

 星野さんは「文学を巡り『物語は書き尽くされた』という言説が流行したころに、ラテンアメリカ文学に接した。未来、可能性を感じた」と自身への影響を紹介。身近に感じたり、目指したいと考えたりする作家には、アルゼンチンのマヌエル・プイグや、チリのロベルト・ボラーニョらを挙げた。

 野谷さんは、自身が翻訳したコロンビア出身のノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説「予告された殺人の記録」を例に、「今読み直しても新しい発見がある」と指摘。「今の力で訳し直してみたい」などとうれしそうに語った。

 最終講義で野谷さんは、中南米の文学がキューバ革命(1959年)から受けた影響や、作家の大江健三郎さんらの評価で70年代後半以降、日本に受容されていった経緯などを話した。(角雄記)

(2019年1月22日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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