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中日新聞掲載の大学記事

2010.02.05

芸術+環境=? 意識した作品期待 瀬戸の美術家、NPO企画

 名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせ、地元の現代美術家が環境NPOと連携し、アートで環境問題を発信する。美術学生らに向け、ウミガメ研究者などの講座を開講。そこで受けた刺激を基に制作された作品を、自分たちの作品と共に10月のCOP10開催中に展示し、一部は米国で紹介する。

 企画したのは、国内外で活躍する美術家の水谷イズルさん(48)=愛知県瀬戸市。「日本は現代美術と社会との接点が少ない」との思いから、NPO法人生物多様性フォーラム(名古屋市東区)や、国内、自然豊かな米バーモント州の美術家にも協力を呼び掛けた。

 講座は名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)の公開講座として実施され、4月から月2回程度で約3カ月間。一般も参加できる。同NPOの力を借り、講師陣はウミガメの保護団体、遺伝子組み換えの調査研究団体、貧困や飢餓に取り組んでいる団体など環境問題のさまざまな分野から専門家を招く予定だ。

 受講者は講義を聞いたり、活動に参加したりした後で制作に移る。「美術と社会が出合うことで、どんな作品が生まれるか楽しみ」と水谷さん。作品は10月に同芸大で展示し、一部は9月にバーモント州で発表する。

 同州での展示に出品予定の日米の美術家11人は7日まで、グループ展「On the Planet」を名古屋市東区の市民ギャラリー矢田で開催中。米国展の責任者、ジャネット・バン・フリートさん(63)は「アートで地球上の地域がつながるのはエキサイティング」と喜び、水谷さんも「環境を考える国境を越えたネットワークづくりをしたい」と期待している。

(2010年2月5日 中日新聞夕刊12面より)
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